こんなオヤジになりたい
なんといってもドウェイン・ジョンソンの存在感
2016年、最も稼いだ俳優としても世間を騒がせているドウェイン・ジョンソンが主演。ワイルドスピードシリーズではムキムキの警察官役として人気を得たが、この作品では若干筋肉パツパツアピールは控え(それでも十分ムキムキだが)、消防士として人助けに奔走する場面と、若い子供を持つ普通の父親としての場面を上手く演じ分けている。ドウェインはいまだに現役プロレスラーとしても密かに活躍しており、その端整な顔立ちと、196cmの巨体からは想像できないような軽やかな身のこなしが魅力である。その演技力も底知れず、この作品の前半に、家族写真を見て昔を思い出し、自然と笑みがこぼれるが、その後すぐ、その娘の1人を水の事故で亡くしてしまったことが記憶の中で蘇り、笑顔から一転して悲しい表情に変わる場面がある。繊細な演技ができるところが、「味」のある俳優として人気を博している所以である。
脇を固める味のある役者陣
そしてその他の役者も個性豊かで見所が満載である。まずは主人公の娘役であるアレクサンドラ・ダダリオちゃん。とにかく巨乳ちゃんだが決していやらしくはなく、タンクトップ姿で窮地を乗り切っていく様が非常に勇敢で頼もしい。パーツが中心に集まった顔がとても可愛く、緊迫したシーンの連続の中で、唯一の癒しの象徴となっている。
そして離婚した妻の彼氏であるヨアン・グリフィズ。典型的な金持ちの嫌な奴で、冒頭からコイツがどのような残酷な死を迎えるのかワクワクして観ることができる。中盤で津波が起きた時に大きなコンテナのようなものに潰されて死ぬが、ホントはもっと残酷でスッキリやっちゃって欲しかった。
そして地震学者役であるポール・ジアマッティ。地震が余地できると発見した時の表情などはこっちも一緒に喜びたくなるような素晴らしい演技である。こういうベテラン俳優がいることで作品全体が締まる印象となっている。
何度でも観たいテンポの良さ
そして、とにかくスピード感を重視した編集が特徴である。本当はこの素晴らしい役者達のゆったりとした演技も見たいところだが、観客を飽きさせないために、不必要なシーンをとにかく削り、緊迫したムードを上手く作り上げている。正直この類いの映画はストーリーはどうでも良いと自分は思っている。よっぽど長い映画であればもう少しドラマ要素も入れ込めるが、それでは飽きてしまうので、この「カリフォルニア・ダウン」に関しては、ドウェインや他の役者の演技、スピード感、映像の美しさに注目して観て欲しい。
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