ぽこ・あ・ぽこの4人の将来は
人生観が変わった4人
ぽこ・あ・ぽこという音楽ユニットを結成した4人、汐崎春乃、鏑木小夜、別所杏里、前園利絵。本作は、春乃のペンションにアルバイトにやってきたシンシア・B・ロジャースとの出会いによって、物事を前向きにとらえるようになった。それは春乃だけかもしれないが、他の面々シンシアの生き方に何かしら感じ取ることがあったようである。ここではそんな4人が将来選びそうな職業について考えてみる。4人一人一人について、春乃が夢で見た職業も見ていきながら、シンシアと出会う前と後のそれぞれについて考えてみることにする。
春乃の夢の意味
春乃の夢というのはシンシアがやってきてまだまもなく、春乃が自分を見つめなおす前に見た夢であり、現状で春乃が考える友達の将来+αといった感じであろうか。みんな自分よりはるかに優れた道を進んでいるのに自分は今のまま、というギャップでショックを受けた場面である。だから、友達の職業については少し上のランクになっているものと思われる。このあたりのことを、現状でのそれぞれの職業について考える材料としている。
鏑木小夜編
春乃の夢ではノーベル文学賞をもらっていることになっている。日本人では川端康成と大江健三郎の二人しかとっていないほどの賞だ。ということは小説家なのだろうか。筆者は、何か堅実なイメージがある彼女は公務員なのでは、と推測する。シンシアに影響を受けて、世界に羽ばたく、という内容の書籍を読み始めている。これを鑑みて、シンシアと出会った後の職業選択は、国語教師と推測してみる。素晴らしい書物の読み方や魅力を、後世の日本を託すことになる子供たちに伝える仕事がしたい、と考えるような気がする。
別所杏里編
春乃の夢では大作曲家ということだが、作曲はあくまで趣味で、と言って別の職業に就いていそうである。その場合小夜と同じく堅実な職業のような気がする。役場の職員など。作曲はシンシアが来る前からもしていたようで、曲のイメージもシンシアを意識したものだということだったが、シンシアと出会った後は、音楽好きを生かして保育士さんかな、と推測する。彼女なりの冒険をした結果、夢のある仕事がしたいとこの職業を選びました、と言いそうである。
前園利絵編
春乃の夢では大きなバイクで空を飛んでいる、ということであった。筆者は底抜けに元気な性格から、利絵は4人の中では唯一理系女子なのではないかと考えている。それ以外の根拠がないので説得力は弱いが。何気なく茂登屋に就職を考えていたところ、シンシアの登場でバイクへの気持ちを一層強くし、茂登屋への就職希望を確固たるものにしたのではと考える。
汐崎春乃編
将来の就職先が一応確保されているのが春乃だ。自らの夢でも先のような大活躍をしている3人に卵を届けていることから、他に椎体と思う職業がなければ家業のペンションを継ぐことになるだろう。少し突飛な考えを述べたみると、あの景山さんの影響を受けて、児童文学作家兼ペンション経営者かな、と考えている。友達3人が“デイドリーム”と称する妄想も大いに活躍できそうではないか。
利絵は旅立ったのか
作中で一番シンシアと共に旅をしたがっていたのは利絵であった。シンシアと、ではなくてもいろんなところに旅がしたいと言っていた。では本当に旅立ったのだろうか?私としては、「旅立った」としてみたい。シンシアをとても慕っていたし、年齢の条件を満たすと即免許&バイク取得という行動力もある。何より、「ぽこ・あ・ぽこ」の面々にやる気を出さそうと尽力した根気の良さは、こうと決めたら絶対に実行する、という性格なのかな、と感じさせるからだ。ただ、即海外、ということではなく、まずは国内からだんだん距離を伸ばして、というように、無茶はしない気がする。大学の休暇に合わせて旅に出る、といった感じで暇があれば旅に行っているのではないだろうか。
春乃はシンシアのところに行ったのか
これは、行った、だろう。シンシアからもっともっといろんなことを学びたいと考えて、約束を果たすべく会いに行ったに違いない。両親が健在のうちはペンションの仕事をお休みして長期出かけるのはそう難しいことではないだろう。両親もシンシアのところへ行くのならと認めてくれそうであるし、そういう意味でも先に書いた通りペンションに就職することは都合がいいのである。また、もしかしたらその旅には利絵がついてくるかもしれない。女二人旅でシンシアのもとに行く、というのも面白いではないか。利絵も、茂登屋への就職であれば、こういう希望も通りやすそうで、やはり都合がいいだろう。
ぽこ・あ・ぽこの活動は
毎年1回は集まってコンサートを開いていそう。4人離れ離れになったとしても、年に1回はコンサートを口実に会おう、ということにしているのかもしれない。今はネットがある時代だから、新曲も歌詞や楽譜をネットでやり取りすれば練習できる。毎年1回のコンサートは、ペンションの人気イベントになっていると考えられ、それを目的にやってくる客もいるはずである。何年かたった後のコンサートで、突然シンシアが訪ねてきそうではないか。
バイクは愛用しているのか
4人とも愛用しているものと思われる。場所がらも、バイクが日常生活の足になっていることもあり、欠かせない存在だろう。高校時代からの愛車を大切に乗っている4人が容易に想像できる。乗りながら昔を懐かしんだりもしていそうである。というように、いろいろと想像を膨らませて作品について考えるのもとても面白い。本作は4話構成でトータルでも1時間に満たない作品ではあるが、想像する材料はそろっている。100人いれば100通りの「わんおふ」があるのではないだろうか。
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