現実的なテニスの世界観で、プロへの道を描いた漫画！ - ベイビーステップの感想

現実的なテニスを描いているからこその世界観・戦略・個性と魅力

本作品以前にテニス漫画として人気を起こした「テニスの王子様」とは異なり、全く超自然的な力を発揮するようなシーンはなく、実際のテニスとして存在する能力や戦略が様々に描かれており、現実派テニス漫画として人気を獲得しています。

テニスといっても、リアルにおいてもそうですが、戦略は多様に存在します（テニス経験者だからこそ語りますが。）。その多様性を、一つ欠くことなく、漫画の面白さ・緊迫感の要素として取り入れ、キャラにも、その戦略の得意分野が分かるたびに個性が決定されるので、読んでいて分かりやすくなっています。

ただ、エーちゃんがボールが来るまでの一瞬なその間に、あんなに攻略法を考えているのか？そのあたりが少し非現実的な部分がありますね。

しかし本作品に描かれる戦略の大部分は実用的なものであるため、リアルのテニスで生かしてみよう、参考にしてみよう、身体改造などを練習に取り入れてみようということが可能であるということから、リアルでのテニスがより深みを得られたり、上手になったりして、より楽しくなるように描かれているように感じられます。

テニスのプロの道を行くエーちゃん達の成長と進撃

本作品の主人公、丸尾栄一郎ことエーちゃんの快進撃もかなりの見どころです！

若干運なところが多いように思われますが、自分のテニスの流派を貫いて、上位の、同世代のプロを目指すテニスプレーヤーたちを撃破していく姿を緊張感もあり、また感動的な要素も含め、鳥肌が立ってしまうようなシーンが描かれています。

もちろん、勝ちばかりではありません。負けも少なくないところが、少なくともプロの厳しさというものを強調しているように思えます（本作品において主人公がプロの道を歩む流れが確定しているので、どうしても勝ちにいかなければならない部分が見えてしまうが。）。

そして現在プロとして世界を回るようになったエーちゃんですが、世界各地の地形天候や人間関係に慣れず苦戦するところから、また「初めての状態」となって、新章が始まったのだな、と感じました。今後の展開が楽しみです。

また、主人公に限らず、ほかのライバルのキャラも、成長する部分もあり、世界へと挑戦している場面を同時に、ちょうどいい程度に描いているので、主人公だけに飽きさせないという良さもあります。

エーちゃんとなっちゃんの恋愛の進展

テニス漫画として沸騰する一方で、陰に進展するは、エーちゃんとなっちゃんの恋愛！

16巻での告白シーンは、なかなか、にやけてしまうものでした。

これまたうぶなことで・・・どうも恋愛らしい行為は目立ちませんが、世界に別々に旅立った二人の今後が楽しみな部分もありますね。