男泣きさせられる映画
闇社会で生きる男たちを描いた傑作
尊敬できる男たち、女たちが見れる
最後の銃撃戦は見もの
ヒーロー・ネバー・ダイ、監督は闇社会を描かせたら世界から尊敬される香港の巨匠ジョニー・トー監督。
この作品は監督のほかの作品同様、男たちの友情や絆を上手く描いており、男性なら惹きつけられる作品である。主演キャストもジョニー・トー作品でよく見るラウ・チンワンとこの役に合っている渋いが実力派スターレオン・ライが良い味を出している。
ただ一つ違ってくることもある。監督が関わった他の黒社会を描いた作品では、男性がメインで普通の生活から重要な場面まで、ほとんど重要な役割としてシーンの中に女性キャラが出てこない。だがこの映画では二人の恋人たちが、敵から自分を犠牲にして守ったり、国に戻るために自分の体を売って資金を作ったりする。その姿はきれいな姿でないかもしれないが私には尊敬できる姿である。
そしてなによりこの作品でも、敵対同士の主人公二人の妙な友情や殺し屋として、また一人の男としてのプライド、女性によって助けられた後の落ちぶれた生活から復活して復讐へとすすんでいくまで、そこにも尊敬する姿があるのを忘れてはいけない。
この映画を途中まで見ていればラストがどうなるか予想できるひともいたはずだ。だがこの映画では結末が予想できていてもそこに行くまでの過程は大きく驚かせられる。それはジョニー・トー監督の映画ではよくあることだ。今回でいえば最後の復讐へまでの大銃撃戦だ。敵は大多数でこちらは二人のうち一人は両足で歩けない。これでは普通に考えて復讐するボスへは行けなそうだし、実際動けないから一人は窮地に陥る。だがそれさえも面白い発想で解決していく。こういう驚かせられるシーンも私だけかもしれないがこの監督の作品では多い気がする。
そして最後の銃撃戦だ。ボスに行くまでに何人もの敵が死んでいき最後にはボスさえもふたりによって倒される。そこにいくまでには壮絶な銃撃戦があるが他のアクション映画に比べて私にはスタイリッシュにさえ見れる。私は銃撃戦を見ているときはラストのことを忘れ、引き込まれ、手に汗をかきながらハラハラしながら見ている。ラストが終わったときには、余韻に感動する一方なぜかとても悲しくなっている。そして最後にこの作品が最高であることがわかり、私の心に傑作として残っています。
おわりにこの作品では「上を向いて歩こう」が形を変えて流れてくる。またジョニー・トー監督は黒沢明監督の映画をリメイクするなど日本とのつながりがあるのも隠れた面白い点である。
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