レズ要素のアダルトアニメ
アダルトアニメという位置付け
まず驚かされたのは、このアニメ作品が堂々と「You Tube」にアップロードされていたことです。
アダルト要素を一切排除しているのが、「You Tube」です。そこの部分は非常に徹底されており、アップロードされても即削除されてしまいそうなものです。しかし、長い間に渡って、そのままアップロードされたままになっているということは、サイト運営側において許容範囲としていると考えられるのです。
ただ、内容はとても過激です。
直接的に、乳房や陰部が描かれているわけではありません。しかし、女性同士であっても、性行為をする描写が克明に描かれています。子供が観てはダメな映像だと思います。
私自身は、視聴制限されるべきアニメ作品だと思います。
本来は、自己制作アニメなので、マンガ媒体でいう同人誌と同じような位置付けだと思われます。しかし、とある制作会社の方に気に入られてOVA発売が決まった、という経緯があるみたいです。
このアニメ作品自体に、視聴制限があるのか、その点から不明です。しかし、視聴制限がないのであれば、規制そのものの定義がどうなっているのか、考えさせられるものがあります。
ここで述べたかったのは、あの有名サイト「You Tube」で視聴可能なのに、過激なアダルト描写を含んだアニメ作品であるという事実です。
視聴には細心の注意が必要なアニメなのは間違いないです(笑
女性同士という要素
アニメ全編を観通しても、60分要しない作品です。非常に本編時間の短いアニメ作品だといえるのではないでしょうか。
登場人物という点でも潔く、主要な登場人物は三名で構成されています。人間関係やコミュニケーションが複雑化していないことから、要点を絞られていることが伺えます。観ている方にしていても、頭の中の整理を気にしないで観ることができるアニメ作品なのではないでしょうか。物語自体は、肩の力を抜いて観通すことができます。
そして、主要人物の三名の中、斉藤 康太(さいとう こうた)の存在感の薄さも目立つもののように思います。ほぼ、主人公とヒロインの二名で構成された物語展開で、康太の存在は、主人公とヒロインの関係を阻害する要素でしかありません。
料理で例えるなら、調味料といった位置付けだと考えられます。主人公、川上 紀衣子(かわかみ きいこ)と、ヒロインの斉藤 亜綾(さいとう ああや)という素材を、康太と超能力という調味料で味付けされたアニメ作品といえます。
こういった作風のアニメ作品を初めて観たこともありますが、インパクトは充分に大きいものでした。アダルト要素が過激だったことも、受けた印象に拍車をかけるものになりました。こういう作風のアニメ作品は、絶対数が多くないことから、希少性の高いアニメ作品であることも存在意義として大きいのかもしれません。色んな要素でマッピングしてみても、偏った場所に位置することは容易に想像できるもので、珍しいアニメ作品なのは間違いないのではないでしょうか。
すれ違い
主人公の紀衣子と、ヒロインである亜綾との気持ちのすれ違いが強く描かれていた要素だと思います。
女性同士である点が目立ち過ぎて他の部分が霞んでしまいますが、振り返ってみると、驚くべき物語展開がありました。それは、亜綾は康太と関係をもちますが、その後の展開で、主人公の紀衣子との関係を修復される展開です。どのような形であっても浮気から、断ち切れた関係が修復される物語が珍しいものなのではないでしょうか。
このような関係になってしまって、そこから関係が修復される物語展開も珍しいものだと思います。
一般的なアニメ作品だと、こういう展開で断ち切られた関係が修復されることはないです。
お互いに後悔や悔しさを抱えたまま、別々の道を歩む二人を描く展開が多いように思います。それだけアニメというジャンルで、「浮気」という要素がタブー視されている表れなのかもしれません。
また、亜綾と康太が関係をもっているところを、主人公が目撃してしまう場面も、アイドルグループ「モーニング娘」の元メンバー矢口真里のスキャンダルを思い浮かべました。
これはかなり強烈な場面なのではないでしょうか。
超能力の存在
主人公の紀衣子と、ヒロインである亜綾の付き合いの始まりが超能力の存在でした。
そして、紀衣子と亜綾の関係が修復される物語最後の要素も超能力の存在でした。
実は、「くっつきぼし」というアニメ作品は、超能力で始まり超能力で終わっているのです。同じ場所で始まった物語が、同じ場所に帰ってきたように感じられます。物語が終わった後も、紀衣子と亜綾の関係は色々なトラブルに巻き込まれていきそうな気がします。締め括られた物語には、この先があるように感じさせるのです。食べることに例えると、お腹いっぱいになると満足感はありますが、一般的には腹八分に抑えておく方が満足感が高いと言われています。
まさに、OVA作品「くっつきぼし」の結末は腹八分での結末になり、先の展開を想像させるようなものに仕上がっているのです。続編があっても、不思議ではないアニメ作品だと思いますし、それに期待させる作りにしているように感じます。
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