谷口タカオから見る人間関係
まさかのサッカーアニメ?
もう野球はできないと諦めていた谷口タカオは、手を使わないサッカー部に入部しました。野球アニメからサッカーアニメになったのか!?と思いましたが、やはりそこでもタカオは全力。ボールを潰すほどの練習で、とにかく強くなろうと努力していました。そのシーンが野球で2軍の補欠だった時代を思い出させるような描写でした。野球アニメなのでサッカーの話はすぐ終わりましたが、本当に好きなものじゃないと努力しないのではなく、やるからには何に対してでも全力でぶつかろうとするタカオの向上心に胸を打たれます。
先輩に指示できる力
タカオは野球に夢中で先輩に色々と指示をしていたところがプレイボールの中でもとても印象的な部分です。少なからず、高校生の部活動の中でいくら腕が上手いからといってでしゃばるような行動をしたら嫌われてしまいますよね。作中でも、生意気だという雰囲気が出ていましたが、キャプテンの田所はタカオを認め、徐々に先輩たちもタカオの意見を聞き入れるようになりました。タカオの実力を知っていてそれを受け入れることができる先輩達は、先輩というプライドに支配されず、自分たちも強くなってみせようという向上心で動いていることがよく分かります。先輩後輩関係なしに、勝つためにどうしたらいいかを一緒に考えることができるというのは、理想的な部活の姿でもあるし、社会全体で見た時でも理想的な姿であると思います。
成長過程が重要
スポーツアニメは最終的に勝つでしょという予想を立ててから観てしまいますが、そこで負けちゃうの?という印象の方が強かったです。無理をしてでもタカオが投げていれば勝てたかもしれない、田所がピッチャーをしなければというのが正直な感想です。しかし、プレイボールはあの弱小墨谷高校が3回戦まで進んだという部分が今作における大きなテーマだと私は思います。結果だけ見れば評価されるような成績を出したわけではありませんが、1回戦負け常連校だった墨谷高校野球部が勝ったということが大きな成果を残したといえるところです。1位や2位と言われれば凄いと思います。しかし、そこで自分がどのような努力をしたのか、どうチームに貢献したのかという部分の方が着目点としては面白いところです。タカオ1人の努力で墨谷高校が3回戦まで進んだわけではありません。野球部全体で努力したからこそ3回戦まで進むことができたのです。タカオの存在はあくまでもきっかけにすぎないと言ってもいいかもしれません。タカオを見て自分たちも頑張ろうと決意したからこそ生まれた成績なのです。そう考えると、3回戦まで進んだということは大きな進歩であり、強豪校が優勝するよりも大きなものを得たと言ってしまってもいいと思います。そこまで話を掘り下げて考えてみると、就職の際に履歴書で部活動に関することを書く際、どうして努力している過程を重要視されるのかが分かってくる気がしますね。
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