未来を支える男性看護師の存在 - ナースマンがゆくの感想

理解が深まるドラマレビューサイト

ドラマレビュー数 1,147件

ナースマンがゆく

4.004.00
映像
4.00
脚本
4.50
キャスト
4.00
音楽
4.00
演出
4.00
感想数
1
観た人
1

未来を支える男性看護師の存在

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
4.0

目次

その看護師に女性が多く見られるのはなぜだろうか。

「ナースマンがいく」は、当時から大人気のジャニーズアイドルTOKIOのドラム担当の松岡昌宏が主演を務めたドラマである。アイドルというだけあり、視聴率もそこそことれていたようだか、どこか見た事があるような気持ちにさせた。それは、観月ありさ主演のドラマ「ナースのお仕事」である。同じ看護師のストーリーのためか類似点が良く見られる。ただ違う点は、主人公か男か女か、ということだろう。両方新米ナースの成長を描いた作品である。感動あり、笑いありと、似ている感じの内容に懐かしささえ感じた。彼が演じていた男性看護師という点から考えてみれば、少し新しい響きに聞こえるのは確かだ。普段病院に行っても私が見るのは98パーセントが女性の看護師だ。近所の内科医院に男性の看護師がいるが、最初見た時はやはり医師にしか見えなかった。看護師というと女性のイメージしかなかったが、男性の看護師も存在するのである。友人の男性が初めて看護師を目指していると聞いた時に、私は男性の看護師もいるのかと知ったくらいである。

では、男性の看護師が少ないのはなぜだろうか。男女平等という言葉があるが、看護師=女性という形が定着している。男性が元々看護師という職業を嫌っていたのか、それとも病院側が女性を優先して採用していたのだろうか。疑問は尽きないが、どっちにしろ男女平等という社会の中で職業においてこれだけ男女差がある職種は他にはなかなか無いのではないかと感じる。作品の第1話のタイトル''命を守れ‼︎女の園で戦う男”にもあるように、看護師という社会では、女性が圧倒的に多くそのことが当たり前のように思っている自分がいる。看護師という職業について考えてみようと思う。

女性の園とまで表現された看護師の世界、男性看護師の必要性

女性の看護師が圧倒的に多いなかで最近耳にしなくなったのが、”看護婦”という言葉である。2002年までは、女性を”看護婦''と呼んでいて、作品の主人公である高沢裕次郎のような男性を”看護師”と呼んでいたのだ。これだけ男女の差が見て感じられるということは、何か男性が看護師になるのには不利な事でもあるのではないかと考える。女性の方が男性よりも看護師になり易いというのだろうか。看護師になりたい人は、短大や専門学校へと進んで学ぶが、女子短大や女子専門学校というように本来なら平等に学べる場所が、”女子”という言葉でくくられてしまっている。これは明らかにおかしな現実である。そのため男性が看護師を夢見たとしても、その知識を学ぶ場所が十分に存在しないのではないかと思う。これは根本的なことがなされていないという事であり、大きな問題のように感じる。学べなければ当然看護師にはなることが出来ない。男性でも看護師としての学べる場所を提供するべきだと思う。特に看護師系の女子大学、女子短大、女子専門学校というものは、はっきり言って必要ないと思う。なぜ女子だけでくくろうとするのだろうか。まるで男性は病院側から拒否されているようにも感じられる。看護師にはむいていないと言っているようにも感じ、非常に不愉快である。女性には女性の良さがあるように、男性にも数え切れない程の良い点があるわけで、男性の力不足かのように言われてしまうのは間違っている。

病院で体を自由に動かせない患者を移動させるのには、男性の力の方が間違いなく安定するだろう。患者から見てもその方が安心するに違いない。また患者が男女といる中で、男性患者が女性の看護師には言いづらい事もあるだろう。そんな時に男性看護師がいたらと感じる患者も少なくはないはずだ。男性にも女性と同じくらい学べる場を与えるべきである。医療の世界に必要な存在だと断言できる。病院側にも患者側にも確実に良いパワーとして支えてくれるはずだ。

作品中で男性看護師の高沢は、看護師という職業に対して深い誇りを持ち男性の少ない世界で常に熱心に働く。その姿は素晴らしい。看護婦長である米田は、男女関係なく平等に接して特に男性である高沢のことは特に気にかけてもいる。そんな温かい目を向けてくれる看護師が1人でもいればその女性中心の職場でも居場所を見つける事が出来る。男性が居づらくなるということは徐々に改善されていくだろう。医療の現場で真剣に働く者同士、職場に居づらいなどという思いは確実に業務の邪魔をしているのだ。これは失敗を許されない医療現場の大きな問題である。おそらく男性看護師が増えることにより医療現場には落ち着きと心の余裕が生まれるはずだ。未来の医療現場に等しい数の男女看護師が力と知恵を出し合い懸命に働き、患者の心にゆとりを与えるだろう。

「ナースマンがいく」が放送された時期には深い理由が存在していた。

2002年1月に初回が放送されている。つまり、看護婦という呼び名がなくなった年である。男女どちらも”看護師”と呼ばれることになり、それがきっかけでより多くの人に看護師という職業について男女関係ないということを伝えるために放送されたのではないだろうか。現代の医療現場に男性看護師の必要性を強調しているのである。作者の思惑通り初回は20パーセントという高視聴率を得ている。珍しい男性看護師に興味を示した証である。男女関係なく”看護師”という呼び名になったことをきっかけに、「ナースマンがいく」という男性看護師が主人公の作品が放送された。この作品の設定に興味を持った人がいたということは間違いない。最終回にも19.9パーセントという視聴率を記録した。誰もが一度は関わる病院の問題に興味がない人はいないはずだ。特に病院関係者の方は、この男性看護師をテーマにした新しい作品を見るべきである。そして男性看護師が医療の世界で逞しく生きる姿を目に焼き付けてもらいたい。どんな感情を持つのだろうか。きっと男性看護師の必要性を感じるのではないだろか。もっと男性看護師が居たら助かるだろうと考えるに違いない。作品が放送されたことにより影響力は絶大なものであったと私は感じる。看護師という職業に対して良い影響が生まれたのではないかと思う。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

ナースマンがゆくを観た人はこんなドラマも観ています

ナースマンがゆくが好きな人におすすめのドラマ

ページの先頭へ