母と娘 - ヴィオレッタの感想

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母と娘

2.52.5
映像
4.0
脚本
2.0
キャスト
4.0
音楽
2.5
演出
2.5

エヴァ・イヨネスコ監督が自身の半生をもとに映画化したとのこと。

写真がアートディレクション込みでフィルム撮影されていた時代、母が娘のヌードを撮るという内容だったのだが、母親の、母親として生きるのに向いていない性質や、娘の  愛されたい  という根本から起こる折衝が切ない。


どちらにも感情移入してしまうし、どちらにも感情移入できない瞬間があるのは、どちらも 一人の女 だからなのか。


幼少から思春期にかけて撮影された監督本人がそのことを映画で描くという「なぞり」の構図もまた皮肉である。

またこれは彼女の物語であると同時にアーティストである、彼女の母の物語でもあるのだろう。

そして、祖母も含め、凡庸になりたくてもなれなかった女たちの物語なのではないかなぁ

女性嫌悪と男性嫌悪と時代とアートの化学反応の様を見ているようで堪えきれないものがあった

母への憎しみよりも、自分はこの人生を悔いてはいないし満足している。私は母から愛されたかったのだな ということを考えさせられた印象。

アーティストには時折自己承認欲求や自分の居場所に対して過敏になりすぎてしまい、愛されていることを受け入れられずにいる人がいて、その根底には必ずと言っていいほど家庭の闇があるというのをまざまざと見せられた作品。

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