愚かで滑稽な正妻と愛人の焦げ付きバトル - 美しき罠 残花繚乱の感想

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美しき罠 残花繚乱

4.254.25
映像
4.25
脚本
4.25
キャスト
4.25
音楽
4.25
演出
4.50
感想数
2
観た人
2

愚かで滑稽な正妻と愛人の焦げ付きバトル

3.53.5
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
3.5
音楽
3.5
演出
4.0

目次

焦げた香りの恐ろしき女の戦い

正妻と愛人のドロドロ愛憎劇。

定番のテーマですが。

全っっっ然共感できないけど、見ちゃうんだよなー(笑)。

このドラマ、質感がちょっとおもしろかったんです。 

なんともいえない「焦げ付き感」が。

女同士の嫉妬や妬み系のドロドロって、 

粘着質だしジトッとした湿り気があるものが多いけど、 

このドラマはそれも多少あるけど、

湿り気というより、焼け焦げた感じが強かった。

フライパンを熱しすぎて焦げ付いてしまったような。 

パンを焼きすぎて黒焦げになってしまったような。

主人公「りか」が、意外にも男らしい性格というか、 

男性性の強いタイプの女性、っていうのと、

正妻「美津子」役の若村麻由美さんが

どこか中性的な魅力のある方だからなのか、

いわゆる女同士のネチネチした粘っこい質感より

もっとハードな硬質感のバトル、という感じがした。

このドラマを思い出すと、焼け焦げた香りと焦げ茶色が浮かんでくる。

とはいえ、やはり女性同士のバトル。

女性特有の細やかさ、ってのは とてもよく表現されてたと思う。 

カップについてた口紅とか

アクセサリーに掘られたイニシャルとか

ほんの些細な断片からでも 、女性はその背景のモノガタリを感じ取る。 

巧みな心理戦を笑顔の下で繰り広げ

嫉妬と執念の炎をメラメラと燃やし

その身を焦がしながら 女たちは狂い咲く。。。 

いや~~~~・・・・

コワイです(笑)

サバイバルの世界

この物語の女性たちはみんな それぞれ、何かと戦っている。 

主人公「りか」は 、

正妻の「美津子」の策略で 愛人の「荘太」と別れさせられたショックと 

自分に無いものをすべて持っている「美津子」への悔しさから

好きでもない「圭一」と付き合うことを決め、 戦いを挑む。 

「美津子」と「圭一」が恋仲だと気付いたからだ。

「勝ち逃げは許さない。夫、家庭、恋人、全てを持ってるこの女から、 

どれか1つでも、いや、すべてを奪う。」と。 

「美津子」もまた、夫と別れさせるために、

自分に好意を寄せている「圭一」を 

わざと「りか」と引き合わせお見合いまでさせたものの

二人が付き合うことになったらなったで それはそれで気に入らず、

とにかく「りか」の幸せをことごとく壊そうとする。 

その他「りか」の書道仲間の女性二人もそうだけど、

みんな共通して、 「今の自分」に満足していない。 

常に満たされていない想いを抱えているから

その不足感を埋めずにはいられないのだ。

勝つか負けるか。

奪うか奪われるか。 

う~~~ん、イタい。 

そりゃあ心も焦げ付くし、ヒリつくよなあ。

人はみんな、心の根っこのどこかに傷があったり

満たされない思いがあったりして

それを自分なりに昇華しながら生きているんだと思うけど 、

勝つか負けるか 

奪うか奪われるか

っていう、サバイバルで生きるのはしんどいよ。 

でも、そうでしか自分を保てない時がある、ってのも

また人間だしね。

とことん気のすむまで味わうしか、ないんだよね。

でも、気が済んだら 、その戦いのリングから降りることが出来るんだな。 

「りか」も、やるだけやり切って、 リングから降りたしね。 

自分を大切に生きようと歩き出したら

一度は別れた「圭一」が再び戻ってきて

もう一度二人で幸せを築いていく日々が始まって・・・

めでたしめでたし、それが何よりだね。

平和に生きよーよ、みんな(笑)

どこか滑稽なのはナゼ・・・

内容はいたって真面目だしシリアスなんだけど、

なんなんだろう、この、滑稽なカンジは・・・???

って、思いながら見てた。

「りか」が通う書道教室もね~・・。

講師役がピーター(池畑慎之介)さんなんだけど、 

忠告なのか皮肉なのか励ましなのかよく分からない

意味深な事をいつも言ってて、

それを三人とも 真剣に「はあ~・・」って、聞いてるんだけど、 

ナゼだろう、なーーんか、ぷぷぷ(笑)

書く文字もそれぞれバラバラで、お手本も何もなく。

ピーター先生の漫談をありがたく拝聴する会、的な。

「美津子」のヒステリックな暴走も、

「りか」の負け犬の遠吠え的なファイティングも、

「圭一」の無垢なんだか無神経なんだか分からない応対も、

「麻紀」(演・三浦理恵子)の今時ベタすぎるくらいの男漁りも、

なんかみんなみんな、真剣だから、

それが逆に滑稽に見えてくるんだよな。

どこがどう、とは言い難いんだけど、

なんか、全体的に。感覚的に。

ちょっと昼ドラ感もあるから、かな。

意図的に滑稽さを演出してる、

とは思えない脚本と演出、だと思うけど 

実は意図的だった、とか・・・?

だとしたらスゴイ技術だな・・・と思うけど、

果たしてどうなんだろう。

でもまあ、このドラマは

人間の愚かさとか醜さが描かれてる作品だと思うから、

それって在る意味滑稽だし、

本人の立場なら至って真剣だろうけど

客観的に見たらやっぱりそれは 滑稽に見えるのかも、しれない。

ところで一番笑ったのが、最終回のラスト。

「りか」と「圭一」が笑顔で抱き合ってる後ろで

わざとらしいシャボン玉が流れてきた・・・と思ったら

「美津子」・・・!!

絶対ウケ狙い・・・でしょ、コレは。ちがいますか。どーなんですか。

若村麻由美さんの衣装

本編の筋とは関係ないんだけど、

すごく印象的だったので、最後にこれを。

若村麻由美さんが着ている衣装が

ものすごく好きだった。

いつも色遣いがビビッドで、

デザインの柄も大ぶりだけど上品で、

ラインが美しい華やかな服を着ていて、

どこのブランドかなあ・・・

と、いつも気になって見てたのでありました。 

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正妻との対決

結婚して妻となって13年余り、育児に追われ特にときめきもなく平穏に毎日を過ごしているのでこのような不倫のドラマにはまってしまいます。正妻の気持ち、愛人の気持ち、どちらの気持ちもわかり、どちらも応援したくなるドラマでした。若村麻由美さんの美人でお高く、隙がない完璧な妻の姿がかっこよくて素敵でした。それとは反対に素朴な田中麗奈さんが正妻からの挑戦状のり、正妻の意地悪にも立ち向かい、悪女になっていく姿も面白かったです。お稽古事の表面上の友人、三浦理恵子さんの裏切り行為も刺激的で正妻VS愛人だけでなく友人まで間に入ってきて肉体関係を持ってしまうところとか、現実にはなさそうな設定がまた飽きさせることなく、ハマッてしまいました。結局一番悪いのは夫の村上弘明さんで田中麗奈さんを愛人にしたのも自分の仕事のため、若村麻由美さんと結婚したのも妻の会社を乗っ取るため(?)で正妻も愛人も実はかわいそうな人でした。...この感想を読む

5.05.0
  • まろまろ
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