面白すぎるミステリー小説
私がこの小説を読むきっかけになったのは、まずスウェーデン映画を見たからです。
今まで見たミステリーの中でも群を抜いて面白すぎたのですぐに原作を読みたくなり、興奮のうちに一気に読みました。映画ではばっさりカットされていた詳しい背景や経緯等が描かれていて更に大好きになりました。
ただ一つ、難しいことは登場人物がかなり多いという所。私は映画を見てから小説を読みましたが、最初に小説から読むと、混乱していたかもしれません。しかしそんな事は気にならなくなる程の面白さである事は間違いありません。ミカエルの裁判から始まるこの物語。ミカエルとリスベットの出会い。エリカベルジェがあまり好きになれないのは私が純粋にミカエルに感情移入しているからでしょう。あのジャケットをゴミ箱に投げ捨てた時のリスベットの想いを考えると切なくなる。そしてハリエットの結末。衝撃の結末ですが、ヘンリックとハリエットの想いがすごく胸を打たれました。物語が進むにつれてわかっていくリスベットの過去にも注目です。スウェーデンでの社会犯罪の現状なども描かれていて、入り込んでしまう小説。社会現象にもなり、撮影地が観光名所になる程の経済効果も生み出している歴史に残る作品です。
私は3部作まで読みましたが、部数を重ねるごとに面白さはどんどん増していき、愛読者の期待を裏切ることなく現在、4部作目となる「蜘蛛の巣を払う女」が出版されています。3部作までの作者であるスティーグ・ラーソンは50歳という若さでこの世を去り、亡くなる直前には4部作目の執筆を行っていたようなのですが反映されず、4部作目の作者であるラーゲルクランツの完全オリジナルで出版されたようです。個人的にはスティーグラーソンの冒頭を読みたかった。4部作目でどういう展開になるのか、ミカエルとリスベットの関係はどうなるのか、期待を胸に「蜘蛛の巣を払う女」も読んでみたいと思います。
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