集団心理の恐ろしさ
アメリカの学校で実際に行われた実験を映画化したドイツの映画です。 とある自由な校風の学校で行われた「独裁政治」を学ぶコースを担当することになったのは ライナーという体育教師。 生徒たちはドイツに独裁政治が二度と起こるはずがないと思っているけれど、 ライナーが「発言するときは起立する」「自分をベンガー様と呼べ」という決まりを作り、 そこからあれよあれよという間に、生徒たちは組織化され、 反対する者は排除、ウェブサイトやロゴ、敬礼の作成と、 ライナーの手から離れて暴走してしまいます。 映画だから脚色もされているとは思いますが、決して起こりえないことではありません。 ライナーをトップにすると決めたのは生徒たち自身、 それがいいだろうくらいの感じだったのでしょう。 しかしそこから勝手に組織が強固になっていく様を見ていると、 現実世界でも無知、無関心、他力本願が、独裁や排他的カルトを生み出すのがよく分かり、 背筋が寒くなる映画でした。
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