追想のあらすじ・作品解説
「追想」（ついそう）は1975年公開のフランスと西ドイツ合作映画である。監督は「突くしき人生」でジャン・ヴィゴ賞受賞、当作品でセザール賞受賞のロベール・アンリコ。戦争と狂気の悲劇をストレートに描いた作品で、主演に「ニューシネマ・パラダイス」の名優フィリップ・ノワレ、美しさと気品を兼ね備えた「離愁」のロミー・シュナイダー。1944年、第二次世界大戦のドイツ占領下、フランスは連合軍の上陸の気配が色濃く、医師ジュリアンの勤める小さな街も鳴り響く爆撃音とともに危険が迫っていた。妻クララと娘の身を案じたジュリアンは、妻子を田舎の古城へ疎開させる。しかし５日後、様子を見に車を飛ばすジュリアンの目に映ったものは、悲惨な情景だった…。戦争の影を感じさせない美しいフランス郊外の風景、美しい妻と愛する娘との幸せな日々、その平和と平穏を無残に打ち砕く戦争という狂気。普通の市民を復習鬼へと変貌させる残酷。オープニングののどかで美しいジュリアン家族の映像が涙を誘う。
