花へんろ 風の昭和日記のあらすじ・作品解説
「花へんろ 風の昭和日記」は昭和60(1985)年から昭和63(1988)にかけて3シリーズ放映された、NHK制作のテレビドラマである。「花へんろ」とは脚本家早坂暁の造語である。 大正末期から昭和中期にいたるまで、四国の風早町(のちの愛媛県北条市・今の松山市)を舞台とし、遍路道沿いにある商家の一家と彼らをとりまく人々の織りなす人間ドラマを描いている。時代の波に翻弄される庶民らの生活を、遍路や俳句をまじえて情緒豊かに映し出している。 大正12(1923)年の夏、桃井かおり演じる静子は歌手になる夢を叶えるため家出をする。しかし関東大震災が起こり、叔母の勧めで河原崎長一郎扮する商家・富屋の次男坊と結婚する。富屋は多くの従業員が働く大商家であり、その前の道を連日お遍路さんが通り過ぎていく。ある日静子が助けた女性のお遍路さんが、娘を富屋に残して失踪した。静子はその子を巡子と名づけて育てることになる。 平成9(1997)年には続編が「新花へんろ 風の昭和日記」というタイトルで6話放送された。