木村佳乃さんに目が釘付け - おろちの感想

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おろち

3.753.75
映像
4.00
脚本
3.75
キャスト
4.00
音楽
3.25
演出
3.50
感想数
2
観た人
2

木村佳乃さんに目が釘付け

4.04.0
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
4.0
演出
4.0

目次

「おろち」はこんな作品



この作品は、楳図かずおさん原作のマンガ、「おろち」を映像化したものです。
主人公のおろちは不老不死で不思議な力を持った謎の美少女で、ひっそりと人々を観察する生活をしています。

この作品では、おろちは不幸な宿命を持って生まれた二人の姉妹を観察します。
二人の結末は、そしておろちはどうなるのか?
最初から最後までハラハラ、ドキドキで、胸が痛くなるようなシーンもありながら、スクリーンから目を離せなくなるような、魅力のある作品となっていました。


視聴した感想

「おろち」を視聴した感想です。
最初は楳図さんの作品ということで、もっと霊的なホラーテイストが強い作品なのかと思っていたのですが、全くそんなことはなかったですね。

この作品の描き出す恐怖とは、人間そのものという感じを受けました。
人間の内なる欲望や狂気、業といったものが、見事に描き出されていたと思います。

途中で異形の者となってしまった、カズサの母や祖母が少しだけ出てくるのですが、その醜さの描写は額と指先のアザだけに留まっており、あくまで人間の醜悪さという点だけで勝負している感じがしました。

そこで観客を怖がらせないという演出ですね。
しかし、全部見えるよりも、想像させられる方が、より怖い感じがしました。

誰よりも美しく生まれながら、ある年齢で異形の姿に衰えてしまう宿命を持つ二人。

二人のその絶望と激しい破壊衝動には、目を離せなくなるようなパワーを感じました。
まさしく、女性の内面に宿る負のパワーそのものといった感じで、このような内面の醜悪さを、男性の楳図さんが想像で描いているのもすごいと思いました。

しかし、その二人だけに留まらず、主人公であるおろちのキャラクターが霞んでいないのも好印象でした。

おろちが不思議な力を使う場面は、いちいちカッコいいですね。
ラストシーンで館を去るおろちの姿も、ビシッとして美しかったです。
あの終わり方はかなり良かったと思います。

サイドストーリーである、おろちの存在感が伝少しも疎かになっておらず、原作へのリスペクトを感じました。

また最後の最後に、どんでん返しとして、実は血縁者でなかったのは理沙ではなく、カズサだった、というオチも秀逸だったと思います。

理沙はカズサへの憎しみや嫉妬、羨望といった感情を幼い頃から抱いており、母の死をきっかけに、それを爆発させたのです。

あのカズサを嘲笑う理沙の醜悪な笑顔。
それまで理沙は、カズサに献身的で被害者風だっただけに、そのギャップときたら、鳥肌ものでした。

物語の冒頭から最後のオチまで、ノンストップで息を飲むようなストーリーでした。面白かったです。



圧巻の映像美

ストーリーもさることながら、舞台装置や人物の衣装にも、昭和のレトロな雰囲気や、楳図さんらしい少女マンガのようなテイストが、色濃く反映されていたと思います。

細部にまでこだわりが感じられ、キャストの好演に加え、より映画の世界観を盛り上げていたと思います。



木村佳乃さんの好演

とにかくこの作品は、木村佳乃さんの好演を語らずには始まりません。
一人二役で、姿形のそっくりな親子を演じましたが、その演じ分けは見事でした。
母の葵はモノクロ映画の大女優というだけあって、オーラや大物感が溢れ出ていました。
ともすると高慢にも見えるような、ツンとした女性ながら、一挙手一投足に華やかさがあります。
対してカズサは、自身も女優ながら母親のような華やかさは無く、どこかやさぐれたような雰囲気がありました。

二人が全く違う人物に見えるのは、すごいと思います。

一番印象的だったのは、二人のタバコの吸い方ですね。

葵はタバコを吸う棒みたいなものを愛用していて、優雅な出で立ち。
それに対して、カズサはちょっと下品な感じで背中を丸めて吸う。
木村さんは一人でも、そこに全く違う二人がいるように見えました。

また、理沙を演じた中越典子さんとの立ち回りも激しく、目を奪われました。

カズサの狂気じみた声色と、暴力の嵐。その絶望。それを一身に受け止める理沙。

この二人の応酬は、見ていて息を飲んでしまう迫力がありました。

終盤にかけての、狂気をはらんだカズサの暴走。
そして、最後の最後に本当の真実を知ってしまった時の、カズサの真の抜けた表情。
どれもが真に迫っていました。

また、二人とも古めかしいセリフ回しが多い中、少しも違和感なく、聞き取りやすく発音していらっしゃいました。
そういった所も好印象でした。

谷村美月さんの存在感

また、この作品の真の主人公である、おろちを演じた谷村美月さんも、若いながら存在感のある演技をしていました。

おろちは人の姿をした、人でないものであり、セリフや行動にややマンガチックな部分があります。

しかし、それがマンガのように浮いて見えることはありませんでした。

おろちはおろちとして、違和感なく映画の中に存在していたとおもいます。

改めて谷村さんの演技力の高さを感じました。

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3.53.5
  • 臾豈臾豈
  • 29view
  • 550文字

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