5分アニメの真骨頂
5分アニメで面白かった作品ってありましたか?
皆さんは5分アニメの作品はどれだけ見たことがあるでしょうか?私自身色々なアニメを見てきましたが、5分アニメでなかなか記憶に残る作品、そして長期にわたって続いた作品というのは無いのではないかと思います。皆さんもいざ5分アニメを見だしても、なかなか最終話までたどり着かないという事も多いのではないのでしょうか?
どうしてもこのような5分枠となると製作費が少ないためか、また時間が短すぎるためか、絵やキャストなどのクオリティ以前にストーリーとしてのクオリティが下がってしまいがちであり、5分アニメをあまり面白いものではないと思っている人も多いようです。そのため5分アニメは短いはずなのにストーリー展開がつまらなく、なかなか最終話まで見られないという事もあるようです。しかしながら、この"てーきゅう"はそうした今までの5分アニメにあった"5分で短いはずなのにつまらない"といった評価を覆した作品であったのではないでしょうか?
嵐のような5分間
この作品の大きな特徴としては、非常にセリフが速いというところであると思います。猛烈なスピードでストーリーが展開していくため、正直なところ聞き取れないセリフも多いのではないでしょうか?しかしながら、このセリフ回しがてーきゅう独特の世界観とそして作品自体への高い評価につながっていると思います。
まず、5分アニメであるため単純にセリフを速くしないと情報量が足りなくなるという事は勿論でありますが、その中で奇想天外なギャグを連発することでテンポよくストーリーを進めることが出来ます。ここまでは普通のアニメなどでもよく用いられていることはわかるかと思います。ただしてーきゅうの場合に少し特殊なのはセリフが聞き取りにくくなるまで早くするというところではないかと思います。
これはネット配信も行われる現代だからこその演出なのではないかと思います。多少聞き取りにくくてもネット配信や録画してみる視聴者は巻き戻しをすることができます。また、全体が5分もない作品なので頻繁に巻き戻していても一話を視聴するのにかかる時間はさして変わらないといえるでしょう。そこで情報量をとにかく多くして、いろいろなものを詰め込んでいき、情報量の多さで圧倒して笑いを取っていくスタイルを取っているといえるでしょう。
ただし、最近の回では長期連載のためか徐々にギャグの切れが落ちてきているという感想もあり、人によっては今迄のシーズンよりも5分間がより長く感じてしまう人もいるかもしれません。
キャラクターの再登板が多い
またてーきゅうの魅力としては多彩な登場人物が挙げられると思います。
亀井戸高校テニス部の四人は基本的に押本ユリを除き、常にぶっ飛んでいて話を回している中心のように思われますが、実はそれ以外のキャラクターもたくさん話を回しているのではないでしょうか?
例えば、第二期の24面では近藤うどん子(下の名前はあくまでも渾身のギャグらしい)の実家であるうどん屋に行くという回ですが、ボケ倒しているのは実はテニス部の3人ではなく案外近藤一家であったりしますし、第三期の33面で登場するアネンコフがユリのおじの葬儀に現れる回でも、アネンコフがボケ倒していったりします。このように多彩なキャラクターを常に出すことによって、マンネリ化することを避けて面白いストーリーが展開出来ているのではないのでしょうか?
また、たくさんのキャラクターを出すだけではなく、そのキャラクターを大切にしているのも、てーきゅうの大きな特徴であるかと思います。多くのアニメでは結構使い捨てられるキャラクターも多いですが、(もちろん長期継続作品という事もあるが)てーきゅうではそれぞれのキャラクターが何らかの形で再登場することも多くありそれぞれのキャラに愛情を持てます。
例えば、なすのや兎亀高校テニス部はスピンオフ作品である「高宮なすのです!」や「うさかめ」の主人公です。そしてうさかめに至っては舞台化もされています。また、ユリの弟の陽太はスピンオフ作品ではなすのの執事として活躍(?)します。
このように主人公たちだけでない多彩な登場人物の活躍が魅力的な作品であると言えます。
てーきゅうは音楽も魅力
てーきゅうの大きな魅力の一つとしては、音楽も挙げられるのではないでしょうか?というのも、私自身てーきゅうは実は第一期から視聴していたわけではなく、四期主題歌の"ファッとして桃源郷"をラジオで聴いて「この曲が流れているアニメは面白いのでは!?」と思い視聴を開始しました。
1期主題歌の"没落貴族のためのてーきゅう"は意味不明な歌詞と脱力感溢れるメロディーで、4期主題歌の"ファッとして桃源郷"はアップテンポでな曲調の中でてーきゅう本編以上の早口であり、一度耳にすれば必ず耳に残るであろう曲ではないかと思います。このようなてーきゅう独特の主題歌もこの作品自体の魅力を高め、また人気の理由の一つにもなっているのではないのでしょうか?
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