これぞマルクス兄弟の映画
マルクス兄弟の典型的な作品
大富豪の未亡人に取り入り、ニューヨークでのオペラ団の講演費用を取り付ける。ところが、度重なる失態に、別のプロデューサーが取り入る。一方、オペラの有名スター歌手とその相手の女。女は別の男が好きで、その男は無名だが唄がうまい。この二人の恋の行方、NYでの舞台に立たせるのとマルクス兄弟のドタバタを織り交ぜながら物語が進んでいく。という、ストーリーで、マルクス兄弟の映画の典型的なスタイルです。すなわち純愛を貫こうとするカップルと、悪役とドタバタ喜劇のからみが閉講して進み、最後に純愛が成し遂げられるという組立です。
歌のシーンやグルーチョの饒舌ぶりはいらないか
個人的には本当は歌のシーンはどうでもいいんですよね。彼らの作品では必ず一曲分、誰かが歌います。あと、ハーポのピアノ演奏も実は割愛可能かなあと思いますが、その当たりは、当時の彼のファンサービス的なところもあるんでしょう。しかし、これを言い出したらグルーチョもしゃべりすぎるというもあります。英語がばりばりに分かれば彼のトークのセンスのすごさがわかるのでしょうが、字幕を追うだけならこれほどしゃべりすぎる必要があるのかと思ってしまいます。
特にこの作品でも、前半部、グルーチョの饒舌ぶりが目立ちます。
中盤からは大笑いするシーンのオンパレード
でもこの作品は、中盤から大笑いするシーンがたくさん出てきます。これぞドタバタコメディ。特筆すべきは、せまい船室に次から次へと人が入り込んでいくシーン。部屋のキャパからいうとそんなはずないのにどんどん人が入っていける。そして、入っていく目的など関係なく、入ること自体が目的のように無表情でいろんな用の係の人が入っていく。笑いますね。そんなアホなの世界。
あと、ホテルの二室を利用した警察官とマルクス兄弟の追いかけっこ。思い出すだけで笑えます。警察官の間抜けぶりも含めて、そんなアホなの世界。そのほか、朝食の場面でハーポがサンドイッチを作るシーン、指揮者とハーポが指揮棒とバイオリンの棒でフェンシングを大まじめにするシーン、オーケストラの演奏が「私を野球に連れていって」に突如として変わりグルーチョが「ピーナッツいかがですか」と売り子風になるシーン、グルーチョが落とした帽子を拾った紳士にチップを渡し「安葉巻でも買え」というシーン。本当に大笑いの連続です。
編集的にはつなぎが粗いのが少し気になりました。
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