2巻までは非常に面白い
映画化もされた作品で、ニュース番組等でも取り上げられたことがあるので「見たことある!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ごく普通のオタク少年、デイブが通販で買ったタイツを着てヒーローごっこをしていたら本物の凶悪犯罪に巻き込まれ・・・というあらすじ。
ヒーローコミックとはいったもの、超能力も持たず、身体能力も少し鍛えた常人並みという彼がどのように悪に立ち向かうか、もちろんボコボコにされますし作品内ではほとんど血まみれです。
しかし、正義の味方ぶって暴力の応酬を繰り広げるからこそヒーローとは何か、というテーマが光ってきます。
上記の通りこの作品は映画化もされましたが、映画を見たという人でもこの漫画は読む価値があります。
それというもの、この映画版は「漫画版で活躍の薄かったキャラクターにスポットライトを当てる」という演出がされているのです。
反面、映画版で影が薄くなってしまっていたキャラクターのファンも漫画版を読めば満足できるという、メディアミックス作品の新しい形を先駆けていると言えます。
しかしこの漫画、欠点があります・・・
底抜けに明るい映画版と比較してみると凄惨であるものの、「人を殺さない」という主人公の課したヒーロー道をなんと三巻で破ってしまうのです。そしてそれを反省する描写もありません。
大衆向けに明るい内容にするために元気に人殺しをして彼女も作る映画版とは違い、何度打ちのめされても殺人までは犯さないという格好良さを追及すべきという原作のあり方を踏み違えた内容になっているため、最終巻である三巻には厳しい評価をつけざるを得ません・・・
「映画版の続き」として楽しむのなら三巻もアリなのですが。
とはいえ、続きの読めない展開、ピンチの連続、何より海外の漫画なのに読みやすい!という事アメコミ入門におすすめの一作です。
※グロい描写に耐性のある方のみ
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