超能力者はつらいよ
超能力は実在するのか?
超能力に興味のある人ならば、ジェームズ・ランディの名を知っている人も多いかと思います。マジシャンの彼は超能力否定派の人間で、「私の前で超能力を使えたなら100万ドルの小切手を渡す」というテレビ番組「$1million Paranormal Challenge」に出演しておりました。1,000人以上の自称超能力者がチャレンジしましたが、終了の2015年時まで、だれ一人として彼の前でその能力を実行できる者はいませんでした。
超能力のトリックを明かす
この映画の中にも彼が明かした交霊術のトリックやESPカード(四角や十字のカード)を同僚に説明するシーンがありますが、交霊術、ポルターガイスト、テレパシー、水道水を曲げる、念写、スプーン曲げ、空中浮揚などが出て来ますが、すべてトリックで出来る「超能力」であることはマジックに興味のある人なら知られたことです。
またカエルの心臓を念力で止めたことで有名なソ連の女性超能力者、ニーナ・クラギーナの映像も映し出されるなど、超能力ファンにとっては魅力満点の映画だと思います。
枠言う私もジェームズ・ランディのファンで、ロバート・デ・ニーロ(サイモン)とシガーニー・ウィーヴァー(マーガレット)の超能力者と否定者が攻防を描くスリリグな内容かと思ったのですが、チョッと違いました。
もう一人の主役キリアン・マーフィ(トム)が、どうやら超能者であることが判明し顔面から血を流しながら劇場の機材が次々と壊れて行くシーンがあるのですが、これでは「キャリー」の再演です。もう少しひねって欲しかったなぁと思ったのは私だけではないと思います。
それでは超能力は無いのか?
冒頭のテープレコーダーで会話を録音するシーンが登場した時は、「心霊現象を知っているなぁ」と思いました。心霊現象を録画録音する場合、その業種のプロはデジタル機器はなるべく使用いたしません。なぜなら一瞬にして全データーが吹っ飛んでしまう場合が多々あるからです。テープなら「その場面」だけがイタズラされるのです。
マーガレットが亡くなり土葬ではなく火葬にされる場面が出て来ます。彼女の息子の延命処置どうように、彼女が無神論者であることを暗に示すシーンでもあります。このようにアメリカ人と宗教は切っても切れない関係があると言えるでしょう。ましてや奇跡(超能力)の存在は神の領域なのです。しかしながらマーガレットは、私達生きている人間自体が超能力者であるとも言っており、単純な無神論者ではなく彼女は「神」を探していたのかもしれません。
作品名の「レッド・ライト」は単に暗室的な意味合いだけでなく、超能力者ということを表しているのかも・・・エンドロールを最後まで見てそのように思いました。
ウン、良い映画でした。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)