あのワイルド7が帰ってきた! - 新ワイルド7の感想

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新ワイルド7

5.005.00
画力
4.00
ストーリー
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キャラクター
5.00
設定
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演出
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あのワイルド7が帰ってきた!

5.05.0
画力
4.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
4.0
演出
5.0

目次

ワイルド7、復活!

あの日本のアクションマンガの最高傑作、ワイルド7が、ついに帰ってきた!!

思えば、1969年(筆者7歳の時)少年キングに連載がはじまってから、なんと、約50年。

ワイルド7登場!

忘れもしない、あの、ワイルド7初登場の場面。(最近の映画版にもこのシーンあり。ただし、映画はどうしようもない凡作。)(このシーンは、ワイルド7第1巻に収録されている)

ワイルド7が、銀行強盗の乗ったクルマを追いかけ、止まれの合図をだす。

ギャング「どうかしましたかい、ダンナ?」

飛葉「…したな。(散弾銃を構えて)お前らを、東日本銀行強盗の犯人として、退治する!」

ギャング「(笑って)こいつ、日本語をよく知らないな。それを言うなら「退治」じゃなくて「逮捕」でしょ?」

飛葉、散弾銃を容赦なく発砲!!ギャングたちは即死!

飛葉「こうやるから、退治ってんだよ!」

・・・クーッ!何度読んでもたまんないね!!

なんとクレージーな設定

ワイルド7は、イッちゃってるエリート官僚・草波勝の発案によって結成された。

世の中には、どうしても許せない悪党がいる。しかし、現在の法律では、物的証拠がなければ、逮捕・起訴することはできない。

そこで、そのような悪党に対し、証拠調べ・起訴・裁判といったまわりくどい方法をとらず、いきなり退治(射殺)することが許されたスーパーポリス、それがワイルド7だ!!

しかも、そのメンバーたるや、札付きの凶悪犯!(毒をもって毒を制す、の考えである)

いま考えると、憲法、刑法、刑事訴訟法、基本的人権など一切無視のむちゃくちゃな設定である。

なぜワイルド7はこんなに人を惹きつけてやまないのか

まず挙げられるのは、上記の設定のみならず、破天荒というか、荒唐無稽とさえいえるストーリー展開であろう。

もう一つは、ワイルド7のメンバーを見事に描き分けていることである。(黒澤明の映画「七人の侍」みたいですね。)

それだけではなく、注目すべきは、望月三起也先生のずば抜けたデザイン感覚、緻密なメカ(ガン、バイク)描写、映画的な構図であろう。現代日本で、これだけの画力のあるマンガ家を、ほかに知らない。

もうひとつ忘れてはならないのは、複雑な時代背景(発表当時は、安保闘争で日本中が騒然としていた。)を反映して、単純な勧善懲悪ドラマになっていない点だ。ワイルド7のメンバーは、草波隊長にかなり強い不信感を抱いており、また、草波の方も、メンバーを完全に信頼しているわけではない…。

このような、善と悪とが判然としない状況も、また、物語に絶妙な陰影を与えている。

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