フルアヘッドココは素晴らしい漫画!
日常では考えられないストーリー
孤児の少年が海賊に憧れて奮闘し、憧れの海賊と出会い成長していく中で衝撃の展開が待っているというもの。当たり前だが日常ではありえない海賊というテーマと、幼いながら奮闘し色々な仲間と出会いどんどん成長していく主人公を応援したくなる作品でした。読み終わったあとに考えてみると色々な伏線が最初からちりばめられていて読み進めていくに連れてそれが解明されていくという読者をドキドキさせてくれる構成になっていました。
個性的なキャラで仲間全てがかっこいい
この漫画の凄いところは仲間に誰一人として手を抜いたキャラがいないというところですね。どんな漫画にも一人は必ず見どころが少ない人物がいるものですが、この作品にはそれがありませんでしたね。番外編でそれぞれのストーリーを描いてくれているのでそれがまたよくて感情移入してしまいました。その中でもやはり一番かっこいいのはジョンバーツでしょうか。剣を2本持つと圧倒的な強さを発揮するのに、1本になると驚くほど弱くなるという設定…最初はなんじゃそりゃと思ってましたが、それにもちゃんと伏線が敷かれていましたね。最初から気になっていた両手に巻かれたぐるぐる巻きの包帯。死神ザギにやられたということがわかった時は鳥肌モンでした。
そしてなにより心に残っているのは名言の数々です。
バーツのファルコン伝説を追いかけている理由を聞かれたときの言葉はまさに名言中の名言です。
夢、愛、理想、そんな目に見えないものを追っかけるのを忘れちまったら人間終いだぜ。
このセリフには胸が熱くなりました。最後には夢と愛をバーツは手に入れてしまうんだからほんとにかっこいいですよね。
ただ、私が思うに理想だけはバーツは手に入れれなかったんだと思います。本当は生涯海賊で終わりたかったと思いますが、海賊を続けれる体じゃなくなってしまったために最後はキャプテンスパードと静かに暮らすという終わり方でした。
そこがまた、切ないというか感動のラストでした。
でもバーツが番外編で言ってた「ノーズ、俺は見上げない。見るべきは前だ」という言葉にもあるように、バーツはバーツらしく死ぬまで海賊の夢を追いかけ続け、スパードに怒られながら生涯を終えて行くんだと思いながらラストを見ていくとほっこりした気持ちになります。その部分は描かれていないので勝手な想像ですが。
フルアヘッドココの是非やってほしい読み方
この漫画のいいところは主人公だけが目立つストーリーではないところです。
そのため視点を変えて何度読んでも飽きないところにあります。私は既に10回は読み返していますが、どのように読んでいるかというと、まずは王道的にココ目線で読みます。未知の冒険に旅立つような感覚でドキドキしながら読み進めます。今度はバーツの目線に立って読みます。そうすると内容はわかっていますが、どこか違う漫画を読んでるような新鮮な気持ちでまた読めるんです。バーツの目線で読むと親心的といいますか、ココの成長を見守りながら読むことができます。
他にもピートの目線で読むと、憧れとみんなに認められたいという気持ちで必死になる様子を感じれる。バクチの目線に立てば、どれだけ仲間が大切な存在かをわからせてくれるようになる。ミガルの立場になれば、名言の一つでもある「理想なんか手に入れたら夢なんか見られない」とレオナを振ったように男の切ない心情を持ちながら読める。デッドは完全2枚目な立場になって読めるし、ハルクは純粋でまっすぐな男の立場になって昔のピュアだったときを思い出させてくれるように読めるし、ノーズは一番の古株だからみんなのことを誰よりもわかってる兄貴的(おじいさんだけど)な立場で読める。
他にも色々な登場人物の立場、目線になって読んでもそれぞれのストーリーがしっかりしているので、全く飽きることなく読むことができます。是非そういった立場でもう一度読み返してみてください。
まとめ
私が今まで読んできた漫画の中でもトップ5に入る漫画でした。某海賊漫画と比べても全く見劣りしない、むしろ優れているといえる作品だと思います。
海賊とは何かということをこれでもかというぐらいちりばめていて、ファルコンとかオールドブラッドとか現実にないものを取り入れて夢を追いかけている様はみていて中だるみすることなく読み終えれました。
個人的な見解で言いますと、連載がチャンピオンだったため、某海賊漫画より人気が出なかっただけなんじゃないかなと思っています。もしジャンプに連載されていたらもっと凄い人気の漫画になっていたと思います。ただ人気が出てしまったらジャンプはできるだけ長く連載してもらうために物語を長引かせようとしますから、ここまであっさりと終わらず中だるみする漫画になっていたかもしれませんが…
ストーリー、キャラクター、スピード感、画力どれを取っても一流の漫画でした。
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