刑事であるまえに、人間であれ。
神南署管内の平和が危ない《第1話》
神南署管内で散弾銃と実弾が盗まれ、安積班全員に緊張が走る。第1話からとてもスリリングな内容となっている。娘のために1億円が必要だった父親、岸本がその散弾銃と実弾を手に入れたことから事態は急展開を迎える。岸本は人質を取り、結局のところ逮捕されるのだが、一連の事件が報道されると、娘のための1億円が寄付金として集まりハッピーエンドとなる。
自作自演を暴く《第7話》
時代背景を反映してか、「メイド喫茶」が舞台となっている第7話もとても面白い回となっている。元アイドルの沙緒里が手掛けるメイド喫茶「シャルロット」のメイドがバイクの男に狙われる回なのだが、実はその店長である沙緒里が黒幕だった。冷静に考えると沙緒里が最初から何かしでかしそうな雰囲気を醸し出していたような気がしたが、1度見ただけでは正直見抜けなかった。ただ、やはり村雨の対応はさすがで、余裕すら感じる。桜井は、まだまだ青臭く、メイド喫茶に萌えていたが、それでも初期に比べると少しずつ成長した感じが見受けられる。いつもクールな水野のメイド姿も必見だ。
桜井の成長《最終話》
心を閉ざした警察嫌いの増山は、聞き込みに耳を貸さず、安積班のメンバーは四苦八苦していた。しかし、桜井にだけはだんだんと心を開くようになっていく増山は、自分の身の上話や刑務所生活のことを話始める。桜井は自分の手柄のような感覚に陥るが、実はこのやりとりこそ真っ赤なウソで、増山は詐欺師であったことが判明する。動揺する桜井の姿が何とも言えないが、この出来事ゆえ、桜井が成長したことは言うまでもない気がする。増山は詐欺師であったが、それと同時に身をもって桜井に刑事としての在り方を教えてくれた存在になっただろう。
まとめ
今回のシリーズで注目してほしいのは、やはり何と言っても桜井だと思う。第1話からの成長っぷりは素晴らしく、次のシリーズでの活躍を期待できるような終わり方をしているからだ。実際、成長したかどうかは人それぞれの解釈があるかもしれないが、常に前向きに成長しようとしている桜井の姿に心を打たれることは間違いないと思う。また、言うまでもないかもしれないが、今回のシリーズでも、安積班の絆の強さを再確認できた。いい先輩後輩、上司部下の関係は見ていてとてもすがすがしい気分になる。テーマである「刑事であるまえに、人間であれ。」をどの回でもとてもよく感じられる内容となっている。
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