乙ゲーの醍醐味！ - 遙かなる時空の中で3 終わりなき運命の感想

主人公春日望海がある日学校の渡り廊下で出会った不思議な少年（白龍）の力により異世界へ飛ばされ、そこで八葉と呼ばれる青年たちと共に戦い成長していくストーリー

八葉と呼ばれる青年たち、さらには白龍を加えた9人の青年に好意を寄せられると要約して言ってしまえば身も蓋もない感じなのだが…個人的には所謂乙女ゲームとは違い主人公が戦い成長していく流れがとても好きだ。

人気作品の第三弾であり、尚且つ私の中では最高傑作と言っても過言ではないと感じている。今までにない主人公が戦うという新しい乙女ゲーム作品であり、キャラクターの魅力も1.2のベースは残しつつさらにレベルアップしている。そんな作品のアニメ化ということで、かなりの期待を持って見たのだが…

面白いことには変わりない。なにしろ原作が自分好みなのだから。しかし、乙女ゲーム作品のアニメ化にありがちな無駄なまでのキラキラした目やツヤッツヤにされた肌質や衣装。そこだけは言わせてもらいたいのだが、原作であるゲームの画風を残して欲しかった…。アニメ化に伴い描き手が変わっているのがその大きな要因であろうことは想像に容易い。そこが毎度乙女ゲームをアニメ化するときに私は見ることを躊躇ってしまう点だ。それでも見たいと思い、見たのは他でもないこの作品だったからで…。個人的に好きなキャラクターは誰になんと言われようと白龍だ。最初のあの登場シーンでのたどたどしい感じ、望海に守られる存在であった白龍は非常に母性本能をくすぐられる。かなりクセのあるキャラクターばかりの中では癒し系でした。谷に落ちるシーンで大人バージョンになってしまうのは…かなり残念でしたが…なぜあのままではダメなのか…ああ…まぁ、望海の神子としての力が強まっている証拠なんですけどね！！いいことなんですけどね！！私はやはり子供の頃の方が好みです…結局大人の白龍になっても心の中は変わらないのでかわいいことにはかわいいんですけどね！！他にも敦盛は外せないですね…ここら辺でなんとなくわかるかもしれませんが、私はかわいい男の子キャラクターが好きです。敦盛のあの自分は怨霊であることへの後ろめたさや、それでも望海の近くにいたいこと、兄や他の家族への想いなど、挙げればキリはないですがそんな本人は化け物だから、怨霊だから、と言う割にはとても人間くさいところが魅力ですよね。そしてそんな敦盛だからこそ八葉に選ばれたんだろうな…と考えるとまた敦盛への愛おしさが上がります。また、他の乙女ゲームにはあまりない過去へさかのぼることができる、という設定もまた胸が熱くなります。現実世界ではもちろんそんなことできませんし、あそこでああしておけば！あの選択をしておけば！なんて考えたことはあっても、それが実現したことなんてないです。でも、この作品ではそれができる。望海の描くみんなが幸せになれる未来へと導くことができる。なんて御都合主義、なんて考えないこともないですが望海はただ戻っているだけではないんですよね。成長して戻っているんです。そしてそんな望海の成長をどの時間でも見守っているリズヴァーン先生のことも見逃してはなりませんよね。全てを知った後に、もう一度見てみるとまた違った見解が得られる、そんなアニメだと思います。