いい男は惹かれあう
こんな色男がいる夜の街なんてキケン過ぎる!
まったくあり得ない世界ではありますが、惹かれます。美貌のナンバーワンホスト倉科崇と暴力団幹部の樋口貴奨。蓮川愛さんのイラストはイメージ通りです。こんなヤクザだったら囲われてもいいかも。なんてうっかり思ってしまいます。倉科が先輩ホストの烏丸の行方を知っているだろうと、樋口に迫られ、そのまま無理やりされてしまう訳ですが、その流れがきれいです。きれいとうのは適切かはわかりませんが、ただの凌辱でもなく無意味なサービスカットでもなく、必要なシーンであり、まさに欲望がそのまま愛へと変わるためのシーンというか。わりとヤクザの話はBLの題材になりますが、なかでも重すぎずかといって倉科のトラウマや樋口の覚悟も充分踏まえたうえでの展開に読後感は大きなため息一つ、満足です。ラストもカッコよく二人がその後どういう関係で続いていくのかがさらっと、でもこうあってほしいという通りに書かれているのが、さすがです。この作者のダークサイドの話は色々読みましたが、この話が一番ロマンチックで好きですね。脇役の使い方もうまいです。あんまり悪い奴がでてこないのがよかったのかな。どうしようもない悪党がでてくると流血はしょうがないですが、まあそこまでの話ではないというと語弊はありますが、恋愛ものですから。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)