その夜の侍の評価
その夜の侍についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
その夜の侍の感想
タイトルの意味をどう捉えたらいいのか
「その夜の侍」を視聴した感想です。非常に観念的で、わたしには面白さが分かりにくい作品だったと思いました。エンターテイメント性は全く無く、純文学の世界観のように見えました。見ていて、芥川賞受賞者の中村文則さんの作品を思い出しました。中村さんの作品に、亡くなった恋人の指を小瓶に入れて持ち歩く男の話がありますが、亡くなった妻のブラジャーをポケットに入れている男というのも、少し似ているのかな、と思いました。ストーリー性はあまりなく、妻を交通事故で亡くした男と、その加害者の人間性を淡々と描いているかのように見えました。妻が交通事故で轢き逃げされ、亡くなるという悲劇的な物語でありながら、本当に淡々とした目線で人々の姿が描かれています。そして、その淡々とした日常の中にかいま見える、中村健一と木島の狂気。これも煽るような表現はなく、まるで人間の狂気の本質は、日常的なものの中にあるのだ、と言わんばかりの...この感想を読む