樅の木は残ったのあらすじ・作品解説
樅の木は残ったは、1964年4月から10月まで、東京12チャンネル系列で放送された、山本周五郎の歴史小説を映像化したドラマ作品である。江戸時代前期の仙台藩伊達家を舞台にして、従来は、悪人とされていた原田甲斐を忠臣として描き、伊達六十二万石を守るために尽力した人物としている。伊達騒動といわれるお家騒動を題材にしているが、いろいろな確執があって争いは起きるけれども、悪人はいないというスタンスで、人間の内面に力点をおいた演出になっている。 実川延若演じる主人公原田甲斐は、伊達の家臣ではあったが、勢力争いには関わらず穏やかに暮らしてた。しかし、幕府の言いがかりによって藩主伊達綱宗が隠居させられ、幼い藩主の後見役となった千秋実が演じる伊達兵部や、幕府の陰謀に巻き込まれていく。めまぐるしい展開の最後に甲斐は自らを悪人とすることで、自分の命は絶たれるが、伊達家の安泰を守るのである。 制作は、歌舞伎座プロダクションである。