原作ファンが見たドラマ版スケバン刑事のもやもや感はこれだった
スケバン刑事の原作ファンはドラマをこう見ていた
マンガファンなら当然のごとく知っている話なのだが、意外と知られていなかったということが今更ながら知ることがあり、驚きと同時に少し悔しくもあるのだが、実際はそうなのである。
スケバン刑事というと、学園の犯罪は本職の刑事では摘発しにくいということでスケバン(不良少女)でもある麻宮サキに白羽の矢が刺さり、ヨーヨーを武器に学園の悪と戦うという冷静に考えたら超キテレツなストーリーでもあるが、これが原作でマンガで読んでいた当時はすんなりと頭に入っていたから我ながら不思議なものである。
そんなスケバン刑事だが、もともと原作を知っていた身からすればなんのことはない。サキがヨーヨー持って暴れまくるというのはごく当然の話だし、むしろどっちかというと優等生っぽい風貌の斉藤由貴がキャスティングされた方が若干というか大半の不安はそこであった。
しかし、世間的には違った。まず武器が「ヨーヨー」であることにみんなざわついた。原作ファンからすれば、「え、そこ?」ってくらい遥か彼方に視聴者がいる感じだ。と同時に新鮮ではあったけれども。
そもそもスケバンとはなにか
スケバンはいわゆる女番長。女=スケという隠語があり、そこからついたスケバンという言葉だけど、正直私がこの作品をしった当時から既に死語に近いものがあった。
そして更に、スケバンというといわゆる不良なので、ルックスからしてそうでないと成り立たないのではないかと思う。しかし、原作もドラマもサキは至って普通の女子高生なのだ。若干態度はデカイし言葉もよくない(ちなみにキメ台詞は『てめえら、許せねえ』であった)けど分かりやすくスカートの丈が長いわけでもなく(当時の不良はスカートが長いのが主流だった)髪の毛もごく普通。いや斉藤由貴はポニーテールでむしろ好感度が高いくらいのもんだ。
なので、視聴者側もなんか不良っぽくないけどまあいいか可愛いし斉藤由貴だしという感じで受け入れていたのではなかったかと思う。
エンディングはサキの女の子の部分を描いて好感度高し
まあそんな破天荒な設定だがストーリーは進み、最大の敵海槌三姉妹の海槌麗巳との死闘を繰り広げるなど正直、一番原作に近いのがこのシリーズ。そんな殺伐としたドラマだったが、唯一のホッとする場面は実はエンディングにあったと思う。
ドラマではわけわからん敵と戦い、眼力鋭い神恭一郎とのロマンスもなく、ただ戦い続ける女の子がラストは斉藤由貴の歌う「白い炎」という曲に載せて1人街を歩きウィンドーショッピングをするというシーンが流れ続ける。
これで私ら視聴者はああ、サキも一人の女の子なんだよなあ、こういうことさせてあげたいなあなんて思ったりもしたのである。このドラマは注目が出始めた新人アイドルの斉藤由貴を一気にスターへのし上げたが、どこか陰のある斉藤由貴と麻宮サキの影の部分がうまく融合した作品だったと今でも思う。
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