ジェネレーションギャップを詰め込んだ作品 - 劇場版美少女戦士セーラームーンRの感想

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劇場版美少女戦士セーラームーンR

4.254.25
映像
4.00
脚本
3.75
キャスト
4.75
音楽
3.75
演出
3.75
感想数
2
観た人
2

ジェネレーションギャップを詰め込んだ作品

4.04.0
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
5.0
音楽
3.0
演出
3.5

目次

セーラームーン世代です。

これを宣言することである程度年齢がバレてしまいますが、今でも乙女心をくすぐられ、憧れております。最近ではガチャガチャにセーラームーンのアイテムが高い値段で設置されており、高いのですが思わず手を伸ばしてしまうほど、病的なほどに色褪せない魅力があると思います。今はプリキュアがセーラームーンの代わりなのかなあと思うのですが、今のプリキュア世代が大きくなってもプリキュア世界の虜でいるのか、自信を持って好きだと公言できる人がいるか、果たしてどうなるのでしょう。セーラームーンほどの魅力はあると思うので、私が孫を面倒見るくらい時間が経った時が楽しみです。

衛のジェントルマンっぷり

あれほど普通の男の子に一輪のバラを渡すなんて、マセています。キザです。少年の頃からあんなにバラをホイホイ渡しているなんて、まもちゃんは小さい頃から私たちを裏切りません。大人になって久しぶりの再会のシーンで、適役の青年はまもちゃんの手を取り愛おしそうに包みます。そう、禁断の香りを一瞬匂わせるまもちゃんの美貌は少女アニメでも違和感がないのです。そしてうさぎのことをうさこと呼ぶイケメンっぷり。おじさま臭がする気がするのですが、それもまもちゃんだから許されるんです。タキシード仮面で尖ったサングラスをかけて攻撃は薔薇という必殺コラボをしているまもちゃんは小さい頃からの私たちの憧れでした。思えば年上に憧れを抱いたのもまもちゃんが影響していると思うんです。彼が年下中学生にうさぎとお付き合いを始めて随分と仲が良いので、年上のまもちゃんのような人ならうさぎのように甘えさせてくれるんだ!と夢見ていました。今思い出しても懐かしいです。映画の中での登場シーンはギャグなんでしょうか。笑いを取りに来ているのか本気なのか。紳士服ヒグチの中のマネキンに紛れ込んでの登場に衝撃を受けました。好きです、こういう演出。そして負傷した衛は連れていかれてしまうのですが、回復の仕方がドラゴンボールと同じでびっくりです。水の中に浸けられて回復するという、現代医学ではまだ実現しない治療法です。今見直すと本当にツッコミどころ満載で、子どもの頃とは違う面白さがふんだんに盛り込まれています。

バイオハザード的展開

バトルシーンは意外と早めに展開されます。しかもその始まりの合図がエナジーを吸い取られ、植物に自我を乗っ取られた一般人がセーラー戦士に襲いかかってくるシーンです。何人もの男女が五人に襲ってくるのですが、それがもうゾンビに追い詰められているようで、セーラームーンってこんなにバイオハザード的な展開だったっけと記憶をたどっています。一般人はあっさりやっつけられるのですが、中ボスの蜘蛛のような植物人間が手強いんですが、この敵がまあ気持ち悪いです。顔は整っていて美形なのですが、いかんせん下半身が蜘蛛のようですばしっこく、気持ち悪いです。一応原作は少女漫画です。セーラー戦士に変身するんですが、その変身後の服がこんなにもスカート短かったっけ?と驚くほど短く、スタイルの良すぎる中学生にまた驚いています。それぞれ得意技で攻撃するのですが、敵はなかなか手強いです。しかし、セーラームーンがばしっとやっつけてくれるのは爽快です。絶対的に強いセーラームーンがやはり一番かっこいいですね。しかし、現代のセーラームーンと勝手に思っているプリキュアと見比べて見ると、敵の気色悪さはセーラームーンの方が断然すごいですし、攻撃を受けた時のやられ方が結構痛々しいです。ショーウィンドウのガラスを破るほどの衝撃だったり、電話ボックスを破壊するほど飛ばされたり、伸びた爪で体を串刺しにされたり。放送の時間帯も朝と夜で違いますし、時代が違いますからビジュアルも変化して行っています。しかし、戦う女性のかっこよさはやっぱり群を抜いてセーラー戦士が一番だと思います。

テレビもパソコンも箱型

時代を感じます。1994年の作品ともなれば時代を感じても仕方がないでしょう。きっとこの時代にスマホもないし、携帯の普及率も低いでしょう。せいぜいポケベルか、何が流行ったかも私はまだ子どもだったので覚えていませんが、そりゃテレビもブラウン管だし、パソコンのデスクトップも立体です。液晶画面なんて高度な技術はまだまだ開発途中でしょう。今から22年も前の作品だなんて、今の子どもたちはセーラームーンを漫画やアニメでは知らない世代ですから、この作品を見たら違和感がずいぶんと大きく感じられるでしょう。私のようにドンピシャ世代でも、セーラームーンの世界でちびうさがセーラー戦士に変身しないあたりで随分古い作品だと思うのに、知らない世代では何がどう面白いのかもわからないかもしれません。ルナPボールなんて懐かしい。ダイアナじゃないんだっていう衝撃がありますよ。ちびうさの衣装も初期設定のままだし、なんだか押入れにしまっていたような、ちょっと古くて懐かしい五感を呼び覚ます、いい作品です。ツッコミどころはとても多いので、大人になって違う楽しみ方を発見できてラッキーでした。

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セーラームーンが愛される理由

子供向けとは言わせない「月に代わってお仕置きよっ」というセーラームーンの決め台詞は、作品を見た人だけではなく、見た事がない人達にも知られている有名なフレーズとなりました。月野うさぎが変身してセーラームーンとなり悪と戦う。というテレビシリーズは確かに子供をターゲットにしていますが、劇場版は一味違います。大人だからこそ感動する部分がたくさんあります。例えるなら、普段のテレビシリーズでは泣かない『ドラえもん』や『アンパンマン』が劇場版になると途端に涙を誘うというあの感じです。どうして、劇場版というだけで普段とは違って見えるのはなぜか分かりませんが、子供より先に大人が泣いてしまうのもまた事実です。映画館という空間がそうさせるのかは分かりませんが、でも決して嫌な気はしません。そして、現在も『プリキュア』の劇場版を見て涙している方もいます。テレビシリーズと違い、劇場版は決して子供だけの映画ではあり...この感想を読む

4.54.5
  • yukiyukiyukiyuki
  • 384view
  • 2010文字
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