検証・百合狼回 - てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼうの感想

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てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう

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キャラクター
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声優
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音楽
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観た人
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検証・百合狼回

4.04.0
映像
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ストーリー
4.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
4.0

目次

第7話、第8話で放送された百合狼

台本がなく、声優達のアドリブトークで進行していく全く新しいタイプのアニメ。それが「てさぐれ!部活もの」である。本作はその第3シリーズにあたり、従来のてさぐり部の面々のほか、今後アニメ化が計画されている「プルプルんシャルム」の面々、計10人によるアドリブトークが展開されることとなった。さらに、第7話、第8話においては、収録に初めて全員がそろうことを記念して、人狼ゲームを模した“百合狼”のゲームの模様を放送するという前代未聞の放送となった。今回は、この放送された百合狼ゲームの模様を検証してみたい。なお、遅刻する一人を除いた9人で百合狼ゲームを展開している。百合狼2人、占い部1人、剣道部(人狼の狩人に相当)1人、残る5人が帰宅部(同じく村人に相当)で、百合狼が2人とも追放される(一般人勝ち)か百合狼とそれ以外が同数になる(百合狼勝ち)までゲームは続く。なお、本作品には“陽菜”というキャラが二人存在するため、てさぐり部の方を“陽菜先輩”と記すこととする。

1日目

1日目らしく、情報の探り合いから入る。疑われたのが剣道部員で、初日ということで疑いを晴らすだけの情報に乏しく、追放を阻止できずそのまま追放されてしまったことで、結果的に百合狼側にやりやすい展開になったように思う。さらに、のちに発覚するか、本物の占い部員がきちんと占いができなかったことも、百合狼側に都合よく働いた。致命的だったのが作中でも指摘があった花音の「葵さんは違うと思います」発言。これによって葵はノーマル(帰宅部)であると信じた者が出てきて、百合狼側がその人を残すことに成功することが、百合狼側勝利の要因の一つになったと言えるだろう。

2日目

この日百合狼であると疑われたのはこはるん。葵が自分は占い部であるとカミングアウト。葵が百合狼だったわけだが、前日の花音による「葵さんは違う」発言もあって信憑性が高まってしまい、ほとんどの者が信じてしまったことで完全に百合狼チームに形勢が傾くことになる。この時に、本物の占い部である陽菜が名乗り出なかったことが一般人側敗因の一つであろう。葵がウソを言っているわけで、この時点で自分が葵を占わずとも葵が百合狼と確定できるのだから、カミングアウトすべきであっただろう。投票の結果、疑い通りこはるんが追放に。その夜、占い部だとカミングアウトした葵は百合狼に襲われるものとばかり思われていたが、襲われたのは別の人であった。

3日目

葵が百合狼に襲われなかったことも、葵自身が百合狼であることを意味するはずである。一つ一つでは確定できないかもしれないが、葵のこれまでの行動を組み合わせて考えた場合、葵が百合狼であることが確定するはずである。一番頭が回るはずの陽菜先輩がどこまで気づいていたのか、本編中では触れられていないが、もしかしたら、自分がノーマルだと当てられてしまったことで、完全に信じ切っていて、冷静な判断ができなくなっていたのではないかと考えられる。百合狼であれば誰がノーマルであるかは把握できているということが頭からなくなっていたのかな、と思われる。花音の発言がここでも悪い方に作用したのではないだろうか。ここで「葵が怪しい」と、誰かが言っていれば状況は変わったかもしれないが、それを口に出す人はいなかった。さらに悪いことに本物の占い部員がここでカミングアウト、しかももはや占う必要のない葵を占ってしまったことで致命傷になってしまったように思われる。決選投票までもつれたものの、そこでのコメントで言い訳を繰り返した陽菜に対して、葵が「これは本当にマジです」と正しさを主張したことも功を奏して陽菜の方を追放することに成功する。ここで葵が追放されていればゲームセットだっただけに、ここが勝負の分かれ目であった。そして最後の望みをかけて葵は陽菜先輩を襲撃する。

最終日

疑いが凛に向いたのをいいことに、ニセ占い部の葵は凛が百合狼だと占う。結愛は最後まで葵が占い部だと信じ込んでしまっていた。ここでも「(陽菜先輩を消したのは)狙われるから」という、あえて自分が取った作戦を言ってしまうことで、結愛にさらに混乱を起こさせ、考えることをやめさせる要因を作っていったことも勝因の一つであろう。かくして葵の思惑通り凛の追放に成功する。冷静に考えれば葵は間違いなく百合狼だと判断できるのに、冷静に考えさせなくさせた百合狼側の勝利となった。

恐るべし葵

これがすべて計算づくだったと言うのだから葵(=荻野可鈴さん)は恐ろしい。今回のゲームでは、占い部員の失策が大きいにしても、葵の戦略が見事だったというほかないだろう。自分はゲームのことをよく分かっていないように思わせて、陽菜先輩の指示に従ってカミングアウトしたように思わせたこと、もう一人の百合狼であるこはるんが疑われたときに何の手助けもせずに見捨てたこと、3日目の決選投票での説得力を持たせるコメントとその日の夜に陽菜先輩を襲い最終日に結愛を残して完全に味方につけて鈴を追放したこと、全て見事だった。頭を落ち着かせて整理して考えれば、百合狼が誰かは明らかなところを、そうさせなかった葵の頭脳プレーが勝利に導いたと言えるだろう。「馬鹿を残そうと思った」と歯に衣着せぬ物言いであったが、同じてさぐり部で2期のアニメ収録を通して結愛、西明日香さんの性格をしっかりつかんでいたからこそできた芸当であったと考える。いずれにしても、見事だった。

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