サンドラ・ブロック目当てで観たのに濃すぎるキャストに唖然。ネタバレあり。
目次
完全犯罪というキーワード
「完全犯罪」と「クラブ」。原題は知りませんが安っぽいタイトルだと感じました。
タイトルとパッケージを見た予想では
「欧米の高校生たちが主人公。ひとりの生徒が事件を起こし周りの友人が完全犯罪に仕立て上げる」
というもの。サンドラ・ブロックは頭脳明晰な刑事・・・。
完全犯罪をどうこなしていくのか。サスペンスになっているか。
そんな予想しながら観てみました。
結婚に失望、元夫から受けたDVによりPTSDに悩まされる刑事キャシー
サンドラ・ブロック演じるキャシーは単に頭脳明晰な刑事ではなく、過去の結婚で夫に殺されかけるという悲惨な事件に遭い心に深い傷を負っている様だ。今まで組んできた相棒達と肉体関係を持つので仕事に支障をきたす。男嫌いの様でもあり、男勝りの様でもあるキャシーが、なぜ簡単に体を許してしまうのか。そこは最後まで理解ができなかった。
しかし、キャシーのしぐさやふとした時の目線、暴力が絡んだ事件に対する執念。
やはり演技力も素晴らしいと感じました。
「心に闇がある」そういう女性をうまく演じてくれています。
「セレブでチャラいリチャード」「目立たないが優秀な生徒ジャスティン」
ライアン・ゴズリング演じるリチャードの嫌味ったらしい性格。自信満々でクラスでも目立つ存在。おまけに金持ち。パーティー三昧、薬物にも手を出したり、女遊びも派手。
「映画に出てくるアメリカの高校生」って感じの印象。
ホラーやサスペンス物の映画なら真っ先に殺されている様な男子学生。
この映画でライアン・ゴズリングを知ったのだが、現実でもこんな男の子じゃないのかと思うほど、ルックスと役柄がピッタリとハマっている。
マイケル・ピット演じるジャスティン。学校では目立つタイプではないが秀才。
好きな女の子になかなかアプローチできないところも可愛らしい。
日本の男子高校生はジャスティンのような控えめなタイプが多そうだ。
頭がよく物静かな人は怒らせると怖いと聞く。
・・・まさにその通りなのだが。
リチャードもジャスティンもタイプは違えどイケメンで演技力もいい。
「完全犯罪」というキーワードを耳にすると、サンドラでもなくこの二人を思い浮かべるほど、
私はこの二人の若い俳優に惹かれてしまった。
「ただ人を殺してみたかった」という動機
嫌味なリチャードと控えめなジャスティンを結びつけるもの。
それが「人を殺してみたかった」
成績もよく機転も聞くジャスティンは「完全犯罪にするにはどうすればいいか」深い知識もある。
リチャードには行動力や自由になるお金があり、ジャスティンには思考力、計算高く物事を判断できるチカラがあった。
これらがうまく融合し、完全犯罪が行われ、事件は闇に消えるはずだった。
事件を担当するキャシーの心の不完全さ。事件に執着しすぎてジャスティンまで辿り着けずに
「主犯はリチャード、かわいそうなジャスティンはリチャードに脅されただけ」
リチャードには完全なアリバイがあり完全犯罪になるかと思えた。
彼女があの二人をどの様に追い詰めていくのか見ごたえがあった。
リチャードが犯人と断定され、ジャスティンはただの可哀想な共犯者・・・。
ここで映画はクライマックスを迎えた。
殺人部屋には隠しカメラが仕込まれていた。死んだリチャードによって。
本当の犯人がわかった時の衝撃と、何とも言えぬ感覚。
少しのほころびから完全犯罪への道は閉ざされたのだが
私は最後の最後に、あの嫌味たらしいリチャードが好きになった。
彼はお金も友人もいらなかったのだと思った。
欲しかったものはジャスティンだけだったのではないかと。
「完全犯罪。人を殺してみたい」というタブーの願望を打ち明けられたのは
ジャスティンただ一人だけだった。
大切な存在なのにジャスティンを傷つけた理由は何だったのだろう。
「ホラ、お前の惚れた女は俺とセックスをするような女なんだよ」
・・・だけど、俺はお前を裏切ったりはしない。
タブーや秘密を共有することで人は親密になれる。
リチャードにとってジャスティンとはソウルメイトだったのかもしれない。
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