さや侍は他の侍とどう違う?
ダウンタウン・松本人志監督作品第3弾。もちろん映画館まで足を運んだ。正直言うと前2作品に関しては期待を外されている。
前2作品を見てわかることは松本人志監督は、映画という媒体に関して物語上の起承転結を描くことにそれほど興味がないようであるが、それだけに主人公に感情移入しにくく、物語上の求心力を大きく欠く結果となってしまっている。
そういう意味で言えば、今作は物語としての起承転結を表現している点では前2作品より十分評価できると思う。
ただ今回のさや侍に関しても、主人公に感情移入しにくい作品となってしまった。
まず、さや侍はある理由から刀を捨てが鞘を常に携帯していることから、生活は困窮しボロボロの身なりはしていても侍としての誇りは捨てていないことが分かる。
そのさや侍が脱藩により懸賞金をかけられ捕らわれた上、藩の藩主より若君を笑わせるための『30日の業』を命じられる。1日1回何か面白いことに挑戦するわけだが、当然そう簡単に若君は笑わない。
次第にさや侍の娘や牢の門番、やがて町の人々までさや侍を応援するわけだが、これまで『30日の業』に挑戦してきた侍との違いが全く分からない。
また、基本的にさや侍が挑戦する内容は周りの人間のアイデアであり、さや侍自身はやらされている感が否めず、能動的な頑張っている感が全く伝わってこなかった。
結局、若君を笑わせることに成功するさや侍はみずから切腹してしまう。この行動理念もしっかりと劇中での説明をしてほしかった。
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