二つの兄妹愛
ある書店で、たまたま「これが究極の兄妹愛!!」というポップが目に入り即購入してしまったpupaの漫画。
なぜなら、私は兄妹愛の漫画が好きだから。
全巻を読んでみて、本当に究極愛でした。
兄妹愛が好きな人は、ぜひぜひ読んで見て下さいね。
話は変わりますが、私は、この漫画には二つの兄妹愛があると思います。
一つは現と夢。
二つ目は、仏木十三とマリア。
私は、この二つ目の兄妹愛が気になりました。
5巻のラストで二人が兄妹と発覚しましたが、伊万里誠(仏木十三)と伊万里愛(マリア)の話で、誠の愛への
”哀れみから同情へ同情から愛情へ 彼女は僕の感情を理解していないようだったが、それでも側にいてくれた。それは、あくまでも研究対象としてだったが”
の思いから愛を愛しているんだなと思いましたが、最終話の夢現でマリアが仏木に
”バカね・・・私は自分の興味でしか動かないわ。でも・・・そうね・・・アナタとの子供には・・・興味があったかもね。
兄さん・・”
愛も研究対象としてではなく誠を愛していたんだと感じました。
特別編マリアの島の話で、誠が愛から興味をなくされることを恐れ、愛と一つになりたくて、そのためには「兄妹」という関係が邪魔だと思い
”今日限りで僕は君の「兄」である事を捨てるよ”
”将来 君(愛)がpupaの研究を重ねて化け物になる事ができたら・・・その時初めて、僕達は「他人」になれるんだ。そうしたら・・・僕は君と一つになる事が許される・・・”
”化け物に人間の倫理観は通用しないからね。だから、もし君がpupa(化け物)になれたら、僕のものになって欲しい”
との誠の発言から兄妹愛ではない?とふと思いましたが、愛が暴走して一体化となってしまった島を歩いている誠が
”愛・・・”と思いながらリンゴを手に取り、そのリンゴを愛と重ね、またそのリンゴに描かれている愛が ”兄さん・・・”
とつぶやいているようなラストシーンで誠が
”妹の眠る島に抱かれながら妹を食べる、そうして僕達はやっと一つになれた。”
から作者の茂木先生は誠と愛を他人愛としてでなく最後は二人を兄妹愛として完結させたのでは?と感じたので、二つ目の仏木十三とマリアの二人も兄妹愛と思いました。
それと、夢(妹)が現(兄)を食べるで始まり、誠(兄)が愛(妹)を食べるで終わるという描き方が対になっていて面白かったです。
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