よく観ると良いこと言ってる
私はあまりテレビを頻繁に観る方では無いのですが、このドラマだけは毎週楽しみに観ていました。キャストも脚本も音楽も演出も基本的には文句無しです。
このドラマの何が良かったかと言うと主人公側の意見も相手側の意見も両方わかるところだと思います。明らかにどちらかがおかしい、悪だ、と決め付け責め立てるのではなく、両者の意見、主張が視聴者もわかり、その上でどのような判決が下るのかを楽しみに見ることが出来る。主人公の古美門研介が無敗であってもどちらの主張もわかるのでもしかしたら今回は負けてしまうんじゃ…?と観ることが出来るのです。
また、主人公の古美門研介は人格に問題があり、周りを振り回し、無茶苦茶な性格をしていますが、様々な名言を残しており、その中にはとても感動させられるものもあります。しかし、ここでまた面白いのは、彼が「普段は悪ぶっているが実は良い奴」という訳では無いことです。彼は偽悪者ではなく本当に性根の曲がった人間なのでしょう。それは彼の生い立ち等にも関係すると思いますが。もしかしたら今まで残した様々な名言も裁判を有利にするための計算かもしれない。しかし、そこを考えるのも面白さの一つだと思います。
この作品のもう一つの魅力として、この作品の主題が挙げられると思います。私は「弁護士とはどうあるべきか」がこの作品の主題であると思っています。作中古美門研介は何度も真実を突き止めるのではなく依頼者を無罪にすることこそが弁護士の役目であると口にしています。それは正に弁護士とは何か、どうあるべきか、という問いかけの答えの一つでしょう。しかし、ここであえて古美門研介とは真逆のタイプであるまゆずみ弁護士をパートナーとして出すことでその答えが果たして本当に正しいのか、と視聴者に考えさせることが出来るのです。
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