映画としてまとまっていた
映画ならではの展開
アニメで放送されていたものをそのまま映画に反映させただけだと思っていましたが、やっぱり映画になると一本で見れる分話の展開とかがちゃんとつながっているのかどうかを判断できるいい機会でもありました。前編がほとんどさやかメインみたいなところで話が進んでいた気がするんですよね。マミが死んだあとの魔法少女の後釜になるべく努力していたけど・・・魔女になっちゃったってところで終わりましたからね。どことなくまどかの存在は薄かったような印象がありました。
後編では割と出てきた方だったと思います。なんていうか戦闘シーンも映画だからっていうのがあるのかもしれませんが、なかなか迫力があったと思います。多分アニメの時とそう変わらないんでしょうけど映画のフィルター効果はすごいですねー。まどマギの世界観が一気に雰囲気変わっちゃった気がしますもん。そして何よりキュゥべえの悪役感が半端ないですよね。アニメの時も結局キュゥべえが悪いっていうのは分かっていたけど、映画になってより際立ちましたね。かわいい顔してるけど考えていることは結構恐ろしいこと考えますよね。
杏子の思いやりの深さに感動
アニメでも思いましたけど、最初さやかに対して敵対心燃やしてた杏子だったけど、根本的な想いの部分はさやかと変わらなかったんじゃないかと思います。杏子の場合は父親でしたけどね。誰かのために何かしたいと思っている所はさやかと同じなんですよね。だからこそさやかがやろうとしていることが何を招くことになるのかわかっていたのもあるから食ってかかったんでしょうね。もしかしたらまどかよりもさやかのことを気にかけていたのかもしれません。だからさやかが魔女になった時も本来の杏子であればグリーフシードを集めるために倒していたけど倒さずに戻す方法を探したんでしょう。魔法少女としてのさやかの頑張りを誰よりも認めていたのは杏子なんだと思います。そしてさやかなら自分のことを理解してくれると思ったんじゃないでしょうか。杏子も素直じゃないから言葉にこそしませんでしたが行動がそんな感じをにおわせていた気がします。何よりちょっと百合が入っている感じがありましたね。というか間違いなく百合ですよね。さやかは恭介のことが好きだったけど、仁美に譲ったことによってまぁ、吹っ切れていたは吹っ切れていたんではないでしょうか。杏子もさやかもお互いのことを気にかけていた節はあったので、間違いなく両想いですよね。
まどかが最強過ぎる
ほむらが平行世界を何度も繰り返したことでまどかがどんどん強くなったっていったってまさか魔法少女になって弓一発で最強最悪の魔女であるワルプルギスの夜を瞬殺しちゃうなんて強すぎるにもほどがありますよ。あのほむらでさえも全く歯が立たなかったワルプルギスの夜をたった今さっき魔法少女になったばかりのまどかが倒しちゃうとかどんなチートなんですかって話ですよ(笑)
しかもすべての魔法少女を消し去るなんてぶっ飛んだことができるのもまどかだからこそなんですよね。
そう考えるとまどかはほんとに優しい子なんだと思います。それによって自分がどうなるかなんて考えずにただみんなが傷つかず幸せになることだけを望んでいるなんて、こんなに優しい子他にいないですよ。さやかや杏子、マミの存在が大きく影響していたんでしょうね。言うなれば三人ともまどかの目の前で死んだといっても過言ではありませんから。ましてや魔法少女になった子たちの末路まで聞いたからこそその願いになったんでしょうね。戦闘においての強さはもちろんですが、精神面での強さも誰よりも強いんじゃないかって思うんですよね。もちろんほむらも今までの自分の経験したことをひた隠しにして冷たく振舞ってはいましたけど、まどかほど思い切ったことはできなかったと思います。それに何度も同じ場面を繰り返し見たことによってほむらの精神はちょっと崩壊していたんじゃないかなって思うんですよね。というか壊れかけていたと思います。それを必死に保てていたのはまどかへの想いだけだったんですね。それだけでここまでのことができちゃうなんてほむらの想いの強さもなかなかだと思います。もはや友情の次元ではないですよね。ほむらもきっと友情以上の感情をまどかに抱いていたんではないかと思います。
主人公不在のラスト
何が一番衝撃的ってまさかのラストに主人公であるまどかがいないっていうことですよね。人間としての姿を失って概念として存在するからとはいってもほんとに出てこないとは思いもよりませんでしたね。でもまどかのおかげでマミと杏子は生き返ることができたのは良かったですね。すでに魔女になってしまったさやかだけは生き返ることができなかったっていうのはちょっと切なかったですけど。最後にまどかとさやかが恭介の演奏を聴いているシーンはちょっと感動しましたね。好きだった相手が自分の友達と幸せになってくれることを心から望んでいる感じが伝わってきて最後の最後にさやかは前向きになれたんだなって思うとハッピーエンドだったのかなって思いますね。そしてなにより演奏を終えたあとの恭介がさやかの存在を感じたところがちょっと感動しましたね。なんだかんだ言っても恭介にとってさやかは今まで自分のことを支えてくれた大切な幼馴染ですからね。普通の人では気付かなかったでしょうけど、恭介は感じたんですね。そして舞台袖でひっそり心配そうに恭介を見ていた仁美もとっても一途で可愛らしい子でしたね。さやかにちゃんと自分の気持ちを言って正々堂々としているところもちょっとかっこいいなって思っちゃいました。育ちの良さがよくわかる子だったと思います。これから恭介のことをしっかり支えてくれると思います。
あとはタツヤ君ですね。まどかの存在をみんな忘れてしまっても砂で書いていたまどかの絵を見て泣きそうになりました。記憶はなくなってもタツヤ君の中でまどかの存在は間違いなく残っているんですね。お母さんもまどかの名前に懐かしさを感じている節があったし、記憶がなくなってもまどかへの想いは消えないっていうのがよくわかったシーンでした。ほむらのリボンを見て可愛いって言ったのもなんかちょっとジーンときましたね。元々あれはお母さんのススメでまどかがつけていたものだからその伏線がちょっと胸にきた瞬間でした。ほむらだけがまどかのことを覚えていると思っていたけど、まどかの存在は確かに家族の心には残っていたんだと思います。きっとお父さんもまどかの存在に懐かしさを感じていたんじゃないでしょうか。あんまりお父さん自体は出てきてませんでしたけど(笑)
なにより自分だけがまどかのことを覚えていると思っていたほむらにとって救いの存在だったともいえるのではないでしょうか。自分以外にまどかのことを想っている人たちがいたってわかっただけでも少しはほむらの孤独も和らいだんじゃないかなって思います。
キュゥべえもどことなくいい子みたいな感じになってたし、まどかが変えた世界は間違いなくいい世界になっていたと思います。魔法少女が魔女になるなんて恐ろしいことの起こらない世界の中でほむらはまどかを想いながら生きていく。そんな終わり方がよかったですね。映画の終わり方としては最高だったんじゃないかなと思います。まどかの想いを守り続けるために戦うほむらの姿に胸を打たれましたね。
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