ゴジラ対キングギドラのような - 劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 裂空の訪問者 デオキシスの感想

デオキシスとレックウザの闘い

北極の地からわざわざ都心部へ現れてはデオキシスを攻撃して、レックウザのあまりのしつこさにちょっとなんなの？といらっとしてしまったのですが、サトシたちが直接デオキシスやレックウザと闘っていないところをみると、だんだんとゴジラ対キングギドラのように見えて来てしまいました。きっとポケモンにはポケモンの事情があるのでしょう。もしかしたらあのデオキシス同士の会話が耳障りで頭痛がひどくてやめて！って言っているのかも知れませんし、もしかしたらレックウザがデオキシスのことを好きでしょうがなくて遊んでいるだけかも知れません。わかりませんが、巨大モンスター同士の闘いっぷりが良すぎて、もう他所でやってくれと思ってしまいました。

超ハイテクも不便になるという図

長距離移動をする際、動く歩道も便利ですし、パスポートを発行さえしてもらえればハンバーガもホットドッグも食べ放題でいい街だと思います。しかし、その便利さの積み重ねが暴走によって黒に変わります。緑色の四角いロボットたちがざわざわと暴走してとんでもないことになって、子どもたちが危険な目に遭っています。サトシはむしろ買って出ているようなところがある正義感の塊なので良いのですが、ちょっと考えものですね。コンピュータはもちろん人間が作り出したいわば分身で、しかもその分身は年々有能になっています。今ではなくてはなりません。しかし、それらは全て電気で動いていて、電気がなければただの鉄くずです。そこで子どもたちは有力発電の風車を回そうと試みます。ロケット団も自転車漕いでくれてますしね。こういった努力もやはり便利な世の中でも必要なわけで、超ハイテクには欠点がありますからね！というメッセージを痛いほど感じました。

トオイのトラウマ克服劇

上記で超ハイテクへのリスクにメッセージを感じると書きましたが、もうひとつはやはりトオイ君の幼い頃のトラウマを克服する姿を伝えようとしていると思います。昔の記憶が蘇り、絶対に危害を加えないだろうと頭で理解していても触れません。無理に克服することもありませんし、むしろ自分から一歩を踏み出さなければ完全な克服は無理でしょう。それなのに、ポケモンに触れないことを知っているはずのサトシはちょっとトオイに突き飛ばされただけで掴みかかろうとします。もうほんとう、そういうところ直した方が絶対にいい。サトシの短気さは見ていてイライラしますね。どうして相手がそういう行動に至ったのか。トオイ君の場合は少し考えれば思いつくはずです。短気なのにお節介を焼こうとするなら、もう少しゆとりを持たないといけませんね。しかし、サトシやハルカたちにより、ポケモンと一緒に過ごす機会が増え、触れないまでもだいぶトラウマ克服も前進しているかに見えました。デオキシスにマイナンを連れ去られてしまった時にまた内に篭ってしまうのではないかと心配しましたが、トラウマ云々を考えていられるほど自分の身も安全ではないというところが功をそうしたのか。最後にはきちんと自分で克服していました。えらい、よく頑張ったなあと親心を抱いてしまいました。

緑色のデオキシスと悪役について

緑色のデオキシスがまだ石の状態の時、研究所に保管されていましたが、これは復活させるための保管であって、人間が研究するための材料となっていたわけではないんですよね？博士とユウコはいい人でいいんですよね。ロケット団も今回はハンバーガロボに悪さをしたくらいで悪役という自分たちの役割を忘れていますし、レックウザは悪役の側に半分くらい入っているようにも思いますが、ラストでデオキシスと和解しているところをみると、話せばわかるポケモンでただの暴れん坊ではないようです。最初、宇宙から来たポケモンということで、顔もちょっと怖いですしデオキシスが地球侵略にでも来たのかと思いました。そしてレックウザがそれを阻止しているのかな？と思いながら観ていました。が、どうも様子がおかしいです。レックウザの暴れっぷりの方が悪そうに見え、緑色の石を抱えているデオキシスが優しいそうに見えました。これはレックウザはかませ犬か何かかしらとも思ったのですが、その後デオキシスを利用する悪知恵のある人間も現れませんし、レックウザを操って街を破壊する人も現れません。これはもう天災に近いアクシデントだなあと。

映画のみのキャラクター

デオキシスはゲーム上登場してこないキャラクターなんですね。調べました。チケットの前売り券を手にすることで得られる幻のポケモンがデオキシスで、さすが宇宙からきたポケモンだけあってレアキャラ度が違いますね。わたしはもうすでにポケモンゲームを卒業してしまった年齢だったため、例えば今からアドバンスのポケモンをしたところで、デオキシスはゲットできないわけです。そこまでポケモンを隅から隅まで集めるタイプではないので、そこまで落ち込みはしませんが、これがリアル世代であったら当然前売り券をゲットしていたと思います。ただの子供向けアニメ映画ではなく、面白い特典付きで違った見方もできるんだなあと新しい発見をしました。