物語の進め方は面白いが…。
映画「ソウ」シリーズのプロデューサーが制作に加わっていると聞いて観てみることに。
主人公が強盗に入った豪邸の家主が妄想癖のある変質者で,主人公に薬を盛り動けなくしたうえで,自身の妄想パーティーに散々突き合わせた挙句,最後は殺される!?と思わせて実は無傷で解放。この家主,実は刑事で主人公を開放した後にまた別の形で2人は再会するのだが…っていう話の流れは嫌いではない。
しかし結局この家主がなぜ刑事という正義を全面に出している職に着いていながら,あの様な猟奇的な妄想パーティーを行っているのかの説明が一切なくてモヤモヤする。
主人公が強盗に入る前,その家の郵便ポストをチェックして,入っていた手紙の送り主の名前を使い家主を油断させて家に入りこむのが事の発端だが,そもそもその手紙は家主が自身の妄想パーティーに突き合わせる犠牲者をおびき寄せるために張ってた罠って言うのが手慣れる感じがするし,薬を盛られて意識朦朧とする主人公に見せた歴代の犠牲者達の写真も,家主が日常的にこの妄想パーティーを開催していたってことを暗示させているのだろうが,そこまで異常性や猟奇的な生活を送っていると伏線を張っておきながら,何故家主がそうなったか,彼の妄想の中にもそのヒントを見つけることができなかった。
気になったのは,家主の妄想に登場する架空のパーティー参加者達が,やけにリアルだったこと。恐らく彼が作り出した虚像とかではなく,本当に昔付き合いのあった人達なのかな?その人達とはただ楽しそうにディナーを食べたり踊ったりsexしたり…という感じで,特別確執があったという描写はなかったけれど,もしかしたら彼らと何かあって家主の異常な性格が生まれたのかもしれない…が,映画の中にからは見つけられないので考えても分からず仕舞い。
物事の成り立ちや登場人物の人となりを把握したい私にはスッキリしない映画だった。
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