溺れるナイフの感想一覧
漫画「溺れるナイフ」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
私の体験に基づく気持ち
十代の心の渦自分は特別なのか?自分なんていなくてもいいのではないか?誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。読者モデルの主人公夏芽と資産家の家の長男でやりたい放題の航一郎、二人が互いを刺激しあう中、自分の中で心の変化がおこる。「もうこの人しか見えない」中高生の頃、よく思いました。そのため道を踏み外したこともあります。その時の気持ちがよみがえってきたような、その時に戻りたいような、懐かしいようでもどかしいようなそんな気持ちになりました。だれかに認められることっていくつになっても嬉しいものですよね。十代のころは、誰でもない、自分の好きな人に好きだと言ってもらえる、求めてもらえる、それが認められると思っていました。自分がこの世で一番幸せで特別なんだと思ったものです。突然の絶望と別れ読者モデルの夏芽にふりかかる災難。それを期に二人の道は別れ始めてしまう。別れても意識してしまう。だって...この感想を読む
コウちゃんとナツメちゃん
ジョージ朝倉さんの漫画が好きです。色々好きな作品ありますが、この漫画は決定打です。読んでてきつくて苦しくなります。でも大好きなんです。読み終わってからの率直な意見…それは…コウちゃんみたいな人が小学校の同じクラスにいなくて良かった゜(゜´Д`゜)゜自分が夏芽ちゃんじゃなくて良かった…です。コウちゃんが同じクラスにいて、コウちゃんから、口悪くののしられて、いじめられて、でもたまに優しくされて、名前を呼び捨てにされたりしたら…多分ぬけだせません。そばにいれるだけでいい、見てるだけでいい、つきあえなくていい、もう何でもいいからそばにいたい゜(゜´Д`゜)もう絶対私だったらカナちゃん人生まっしぐらです。ましてや、夏芽ちゃんみたいに一度でも愛された記憶、彼女になった記憶があったら…もう落ちていくしかないです。コウちゃんに。コウちゃんはやっぱり夏芽ちゃんじゃないとダメです。私じゃダメです(T_T)コウちゃん...この感想を読む
ただのガキとは違うのぅ
田舎に急遽引っ越した都会の中学生モデルの話。めでたくコウちゃんと付き合うことになって世界が変わった夏芽。一方でコウはあまり嬉しく思っていません。付き合う前の夏芽とのやり取りの方が面白かったみたい。多分、コウちゃんんて自分の世界がある、自分の足でしっかり立ってる子が好きなんだろうね。さて、有名になった夏芽の周りでは不審な話が続きます。ものがなくなったり、先輩にからかわれたり、男子にじろじろ見られたり(まあ中学生男子なら水着には弱いかのう)、カナちゃんは相変わらずライバルのままだったり。なんというか、早瀬は裏表なく友達な感じがするんだけど、カナちゃんは裏ありそうなんだよなぁ。本巻何も進展ないものの。それよりも急に出てきた大学院生の動きが怪しすぎる。気をつけろ夏芽。
痛みを感じるようなせつなさ
半ば犯されるようなかたちでコウちゃんと付き合う(?)ことになったので、これからどうなるんだろうって思っていたけれど、なかなか考えてくれているようで。あ、ちゃんと好きなのかなって思う瞬間があって。でもこの巻の終わり方からすると、やっぱり楽観できないよなぁって。とてもとても切ない。普通の幸せを望むなら、コウちゃんより大友だと思うんだ。大友の笑顔が、やさしい心が本当に良くて。でもそれだけじゃだめなんだ、というところにすごいせつなさを感じる。自分を大事にしてくれる人のそばにいたらそれが一番の幸せ、とは限らない。コウちゃんの家はどうなっていくんだろう。次巻も楽しみ。