無敵の人――麻雀漫画という高い壁――
少年誌に麻雀漫画で殴り込んだ「LIAR GAME」の甲斐谷だったが……「LIAR GAME」によって一流漫画家の仲間入りをした甲斐谷が少年誌である「週刊少年マガジン」に満を持して連載したのがこの麻雀漫画「無敵の人」でした。麻雀が題材というのは少年誌ではヒット作「哲也―雀聖と呼ばれた男―」以来だそうです。確かにマイナーゲームが題材なのですが、甲斐谷はそうしたものを書くことも得意としています。競馬を題材にした「ウィナーズサークル」がそうでしょうし、「ONE OUT」や「霊能力者 小田切響子の嘘」もメジャーなところから少し外れた部分を上手く突いた作品でした。そして、「無敵の人」は甲斐谷自身が実際に雀荘で働いて取材をし、「LIAR GAME」を大ヒットさせた集英社から講談社に移ってまで書きたかった渾身の作品でした。麻雀のゲーム性を漫画内に上手く反映できなかった読者に次の展開を気にさせ、主人公の思わぬ機転や思考で状況を打開...この感想を読む
3.53.5
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