窓の魚の評価
窓の魚についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
窓の魚の感想
西加奈子作品中、最高の絶望と狂気! これは恋愛小説ではない!
これは恋愛小説ではない、サイコホラーだ!本作には4人の男女が登場する。それぞれに自分の過去やトラウマ、大小の秘密を持ち、それらを絡めつつ共通の1日を語る、という実験的スタイルで話が進んでいく。2008年、小説新潮に3か月間の連載で発表された。一見するとサスペンスのようでもあり、恋愛小説のようでもある。しかし、好きという感情は含んでいても、本作は恋愛メインの小説ではない。別の人物が同じ出来事を語る中で、次第に真実がわかる、というのは推理モノではよくある展開ではあるが、本作は最後まで細かい所を明かさないので、別々の視点が纏まった時、何かの真実が見える、というスッキリした読後感を望んだ読者は、激しい肩透かしを食らうだろう。女性の死体の素性についてははっきりと語られないし、個々のキャラが行きつく先も明確にならない。スッキリどころか最終章であるアキオの章は中盤以降どす黒い闇だらけで、最後にちょっ...この感想を読む