読み応えある、何度でも笑える新聞 - 神のちからっ子新聞の感想

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神のちからっ子新聞

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読み応えある、何度でも笑える新聞

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文章力
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ストーリー
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キャラクター
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5.0
演出
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目次

さくらももこワールドの集大成!?

さくらももこさんの作品で、ちびまる子ちゃんしか知らない人にとっては、なんだこりゃというナンセンスな笑いを売りにしている新聞である。

さくらさんのエッセイなどを読み込んでいる人は、さくらさんが意外に毒舌で、ナンセンスなギャグやシュールな表現を好む作家であることは何となく察することができると思うが、さくらさんのそういう本音のような部分が爆発してしまったような作品である。

ちびまる子ちゃんにある様な、日常のほのぼのとした温かさとは全く次元が違う世界であるが、新聞内に登場する「キャラクターの性格付け」が非常にさくらさんらしい。ちびまる子ちゃんにも登場する、ひねくれた永沢君や異常な小心者の中野さんなどのキャラクターづくりと根底が似通っており、極端に個性的な登場人物に引き込まれる。

ダジャレ、妙な四コマ、俳句、占い、何でもあり

新聞なので、ダジャレのコーナー、俳句のコーナー、四コマ漫画、占いや神のちからっ子新聞を取り巻く主要な人物たちの日常の漫画などで構成されている。

ダジャレや俳句はくだらないながらも感心してしまうような作品もあり、作中の登場人物や新聞の読者が投稿してきたという体裁がとられているが、さくらさんが考えて書いたのだと思うと、著者の才能の幅を改めて思い知らされる。

四コマ漫画は起承転結があるんだかないのだかわからないぼんやりとした展開なのに、きちんと四コマに話が収まっているのが見事である。

神のちからっ子新聞の編集部の人々や、新聞を取り巻く人の近況の漫画は非常に興味深く、中でも連続して描かれている「トンネル掘りの堀田さん」の放浪の旅は、いつもいいところで終わってしまい、続きが非常に気になる展開になっている。

奇妙なキャラが盛りだくさん

前述トンネル掘りの堀田さんのような異常にお人好しな人は、ちびまる子ちゃんの中野さんや友蔵爺さんを彷彿とさせる。また、いい年をして高齢の母親のすねをかじり、人を罵倒したり不平不満を言うのが趣味のような、なす実(実の字の右のはらいにハートがつくのが正当名)は、永沢君を思い出させる。極端なお人よしや天然なキャラ、計算高い皮肉キャラはさくらさんのキャラづくりにおいても、特徴的と言えるだろう。新聞の文体は非常に間抜けで稚拙であるが、そこが面白く味がある。また、気になったところから、どこからでも読めてしまうところもこの作品の良さだろう。こういった短いページでまとまった作品は、飽きが来ない。何度でも読んでも新鮮なところが嬉しい限りだ。

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